『PARADYM』は常識をぶっ壊すようなクラブなのか?キャロウェイの新ブランドの真相に迫る!
『PARADYM』は画期的なドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンで革命を起こせるか?
撮影/相田克己
2023年1月13日。都内某所。2023年2月下旬から順次発売される、キャロウェイの『PARADYM』シリーズが発表された。
『EPIC』でもなく『ROGUE』でもない新しいシリーズ、『PARADYM』とは?その全貌の速報をお送りする。
『PARADYM』のドライバーは4種類。常識を越えた360°カーボンシャーシーが「飛び」と「やさしさ」を産む!
2023年1月13日。都内某所。キャロウェイは『PARADYM』シリーズの発表会を開催した。
発表前から期待を込めて注目されていた、『PARADYM』。
『PARADYM』は、概念とか、常識という意味の言葉である。
日本ではひと昔前に「パラダイムシフト」というビジネス用語が流行ったことがあった。コロナ禍でまさに思考パターンの大変革が必要ということで、世界中でパラダイムシフトという用語は大流行した。
キャロウェイというメーカーのネーミングの法則は、本当に画期的な変革とブランド名をリンクさせるのである。
『PARADYM』シリーズのコピーは“バラけない飛びでパラダイムシフト”と、“dhange the game. いま、ゴルフが変わるとき”である。
説明通りに書けば、2023年、技術革新の果てに、“妥協”は必要なくなったことで生まれたのが『PARADYM』シリーズのクラブだというわけである。
早速だが、『PARADYM』のドライバーは4種類
まず目に入るのはコバルトブルーのような美しい青。『PARADYM ドライバー』は、上品なのにイケイケな雰囲気が漂うところが面白い。
PARADYM ◆◆◆ ドライバー
ツアー仕様のハードなモデル。
(キャロウェイ セレクテッド ショップのみの取り扱い)
PARADYM ドライバー
飛びとやさしさの妥協なき融合。スタンダードモデル。
PARADYM X ドライバー
つかまえて飛ばすならX。ややドローバイアスがある高弾道モデル。
PARADYM MAX FASTドライバー
軽量による振りやすさと強いドローバイアスで楽に飛ばす日本人用モデル。
『PARADYM ドライバー』の共通のテクノロジーは、文字通り画期的だ。
主役は、業界初の「360°カーボンシャーシー」を採用したことである。クラウンからソールまで、ヘッドの中央部分をグルッと一周、一体化したカーボンで作ったのだ。
金属なのはフェースの周辺と、後方のウェイト部分だけで、それを繋ぐ金属パーツはゼロなのである。
チタンで作るのと比較すると、約44%の軽量化に成功。
余剰重量をフェースや後方のウェイトに配分したことで、着弾範囲のバラつきを約15%を削減することができたそうだ。
約25%軽量化した新しい「JAILBREAK テクノロジー」は、フェースの裏でクラウン部分とソールを柱で結ぶことでエネルギーロスを減らして、初速をアップさせるもの。
フレームタイプだったものが、Y字タイプ(厳密にはYを上下に重ねたXに近い形状)になった。
「FACE CUP」も、余剰重量を有効に使う意味で一新され、「A.I.FLASH FACE」も大きく進化。
モデル別に設計され、フェースの裏のデザインは更に細かくなった。結果として、左右のバラつきを軽減できるようだ。
スタンダードモデルの『PARADYM ドライバー』は、ヘッド後方に約13.5グラムの可変式ウェイトが入っている。
受け部分も重量があり、慣性モーメントが大きくなっている。弾道をチューニングして、安定性も上げられるのだ。
幅広いゴルファーに訴求できる見事なラインナップと、やる気満々にさせるテクノロジーの説得力。
中でも、僕は『PARADYM ドライバー』と『PARADYM MAX FAST ドライバー』に強い興味を持った。スタンダードモデルで、全体の雰囲気を確認した上で、大好きな軽さで飛ばすタイプのドライバーでヘッドの飛距離性能を確認したいからだ。
10年以上前にも、キャロウェイは今回と同様に中央をカーボンにして重量をフェースと後方に振り分けたドライバーを市場に出している。
僕はそのドライバーを使っていたが、正直な話、机上の理論であり、ビックリするほどの効果は出なかったのだ。
しかし、それから干支も一周した。テクノロジーも、素材も進化していることを痛感してみたい、と素直に感じた。
間違いなく言えるのは、打ち応えが画期的に変わるだろう、ということだ。
試打をするのが楽しみである。
『PARADYM フェアウェイウッド』は、4種類!
『PARADYM フェアウェイウッド』は、4種類。
PARADYM ◆◆◆ フェアウェイウッド
ツアー仕様の小振りヘッドがたまらないモデル。
(キャロウェイ セレクテッド ショップのみの取り扱い)
PARADYM フェアウェイウッド
飛びも安定性も高レベルなスタンダードモデル。
PARADYM X フェアウェイウッド
つかまる飛びと安定感でドローバイアスがある高弾道モデル。
PARADYM MAX FAST フェアウェイウッド
軽く振りきって高弾道のストレートドローを打ちたいモデル。
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『PARADYM フェアウェイウッド』の#3、#3H、#5の3本だけが「フォージド カーボン テクノロジー」を採用して、クラウンからソール全面までカーボンを使って、余剰重量を稼いでいる。スタンダードモデルであり、フラッグシップモデルなのである。
ついでに、この3本だけが、フェース素材として飛びに定評がある「C300マレージング鋼」を採用していることにも注目せざる得ない。
それ以外の『PARADYM フェアウェイウッド』でも、クラウンはカーボンだ。違うのは、『◆◆◆』はトウ側を重くするために金属をつかっていて、『X』と『MAX FAST』は逆につかまりを良くするために、ヒルサイドの金属部分を増やしているのだ。
よく考えれば、それは特性を考えれば、正解なのである。
「JAILBRAEK BATWING テクノロジー」は、フェースの裏側のヒール側とトウ側でクラウンとソールを繋げて、フェースの反発を助けるものだ。(番手によっては、トウ側のみ採用されている)
「A.I. FLASH FACE」と「フォージド フェース カップ」も新しくなっている。飛距離を伸ばすだけではなく、ボールのバラつきを軽減することを可能にしているという。
じっくりと自分に合いそうな『PARADYM フェアウェイウッド』について調べないと、全てが同じではなく、ちゃんと理由があるチューニングになっているのである。説明は大変だが、キャロウェイらしいと感心した。
『PARADYM ユーティリティ』は3種類!選ぶ楽しみに溺れそうだ!
『PARADYM ユーティリティ』は、3種類。
PARADYM ユーティリティ
ピンをデッドに狙えるスタンダードモデル。
PARADYM X ユーティリティ
つかまる飛びでグリーンを狙う高弾道モデル。
PARADYM MAX FAST ユーティリティ
ライを選ばずに振り抜ける攻めの軽量モデル。
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『PARADYM ユーティリティ』は、まず、フォルムをフェアウェイウッド型にした。これは昨年発売された『APEX』のユーティリティが、そういうフォルムになっていて、好評だったことが影響したという。
そして、精力的に新しさを投入しているのだ。
「カットウェーブソール」はソールの中央の後方を二つの溝が波形になっていて抜けの良さに貢献する。これは見るだけで、良さそうだと思わせるので期待できそうだ。
フェースの裏側のヒール側とトウ側でクラウンとソールを繋げて、フェースの反発を助ける「JAILBRAEK BATWING テクノロジー」は、A.I.で専用に設計されたものになっている。(ネックに弾道調整機構がある場合は、トウ側のみ採用)
「A.I. FLASH FACE」と「フォージド フェース カップ」も新しくなり、はボールのバラつきを軽減するらしい。
フェースカップに採用された「455スチール」は、飛距離性能向上で実績が出てきているので、これにも期待が高まる。
『PARADYM ユーティリティ』は、弾道調整機構がついているモデルもあり、アイアンのセッティングに合わせやすくなったのと、フェースの違いなどでロフトよりも飛んだりしても、調整が自分でできるようになった。
これは、完成度を高める意味で素晴らしいことだと感じた。
アイアンも凄いぞPARADYM!ゴルファーを惑わせる魅力的な3機種のラインアップ!
『PARADYM アイアン』は、3種類。
PARADYM アイアン
飛びもやさしさ別次元なスタンダードモデル。
PARADYM X アイアン
安定して飛ばせるXモデル。
PARADYM MAX FAST アイアン
最も飛距離が出る振りやすい軽量モデル。
新構造で飛びとやさしさをレベルアップ!キャロウェイの新作「PARADYM」はアイアンもスゴい。
革新的なクラブの創造ということで名付けられた「PARADYM(パラダイム)」。アイアンもまさに、既成概念を打ち破った“パラダ...
『PARADYM』のドライバーも、フェアウェイウッドも、ユーティリティも、凄いクラブだと感じたが、最も強くグッと来たのは、『PARADYM アイアン』だった。
アイアンは中空ヘッドと複合ヘッドになっていく傾向があり、カップフェースが当たり前になってきているが、『PARADYM アイアン』は画期的なテクノロジーを採用しているのだ。
「スピードフレーム構造」が、そのテクノロジーである。
普通のアイアンは、外枠があって、中央は空洞のネックとボディが多いのであるが、『PARADYM』は、内側に板状の仕切りがあり、A.I.の演算で導かれた小さな空洞がいくつかあるのである。このボディに「フォージド 455 フェースカップ」を装着して、バックフェースとソールに、「ウレタン・マイクロスフィア」と「デュアル・タングステン・ウェイティング」が採用されているのだ。
ピンと来ないゴルファーが多いと思うが、このボディの構造がわくわくさせる。
キャロウェイのアイアンは、スタイリッシュであることが宿命でもあり、それ故に、ときには妥協や無理矢理があったと感じてきた。正直な話、中空構造のアイアンで行き詰まりがあったのは事実だと思う。
だが、この新しい構造はアイアンの歴史を変える、まさに、パラダイムシフトを起こしそうなのだ。
『PARADYM アイアン』は3種類共に7番アイアンのロフトは、29°、27.5°、27°。
飛び系の少し先、ぶっ飛び系のど真ん中だ。最新のテクノロジーが開花して、実をつけるイメージをしてしまう。
最後に
『PARADYM』シリーズは、気合いが入った自信満々なクラブだ。このラインナップで、自分に合わないものを探すほうが難しいであろう。
すごいアイテム数なのに、きめ細かく一つ一つ丁寧に設定して、チューニングしている様子がリリース資料からだけでもわかる。
それに答えるつもりで、一つ一つ試打をしたいところだが、物理的にそれは難しい...。何と何を打つことにするか?それだけでも大変だ。
本当に困ったなぁ、と言いながらニヤニヤしている自分がいる。
たぶん、多くのゴルファーが『PARADYM』でニヤニヤすることになるはずである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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