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今さら聞けない「メジャー大会」って他のトーナメントと何が違うの？優勝者は賞金よりも名誉!?

今さら聞けない「メジャー大会」って他のトーナメントと何が違うの？優勝者は賞金よりも名誉!?

なんとなくで聞き流していませんか？ゴルフツアーの用語をわかりやすく解説

2023/04/18　ゴルフサプリ編集部　宮井善一

渋野日向子（写真／相田克己）

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女子メジャーの今季第1戦「シェブロン選手権」の開幕が迫ってきました。昨年4位に入った渋野日向子ら日本勢の活躍が期待されますが、そもそもメジャーはどんな大会があって他のトーナメントとは何が違うのでしょうか。分かりやすく解説します。

［目次］

メジャーとは？

ここではプロツアーのメジャーに限って解説します。それぞれのツアーの中で選ばれたステータスの高いトーナメントのことをメジャーといいます。各ツアーで4大会前後がメジャーとして扱われています。

メジャーには基本的に各国のアマチュアとプロ、それぞれの統括団体が主催するトーナメントが入っています。

日本を例に挙げれば、アマチュア統括団体である日本ゴルフ協会主催の「日本オープンゴルフ選手権（日本オープン）」と「日本女子オープンゴルフ選手権（日本女子オープン）」、日本プロゴルフ協会主催の「日本プロゴルフ選手権（日本プロ）」、日本女子プロゴルフ協会主催の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯（日本女子プロ）」です。これらの大会は、それぞれの国のゴルフトーナメントの歴史そのものと言ってもいいくらい伝統があります。

では、メジャーは他のトーナメントとどこが違うのでしょうか。代表的な例が、優勝者に与えられる特典です。

例えば米女子ツアーでは、一般的なトーナメントの優勝者には2年間のシードが与えられますが、メジャー優勝者は何と5年間のシードがもらえるのです。他のツアーも、メジャー優勝者には一般的なトーナメントの優勝者よりも長期のシードが与えられます。

賞金額も一般的なトーナメントよりも高めに設定されていますが、メジャーよりも高額賞金のトーナメントもありますから、絶対的に高いとはいえません。

賞金よりもメジャー優勝者は、名誉という無形の財産を手に入れられることが大きいのです。「メジャー優勝者は歴史に名を残せる」と表現されることがよくあります。メジャーに勝てば、競技者としての存在価値を大いに高めてくれる。そこが他のトーナメントと一線を画する点なのです。

世界のメジャー

女子

女子メジャー大会は下記の5大会です。

※開催順
「シェブロン選手権」／「全米女子プロ」／「全米女子オープン」／「エビアン選手権」／「全英女子オープン」

基本的には米女子ツアーのメジャーで、「エビアン選手権」と「全英女子オープン」は欧州女子ツアーとの共催です。

「全米女子オープン」が最も歴史があり、1946年に第1回大会が行われています。「全米女子プロ」は全米女子プロゴルフ協会創設から5年後の1955年にスタートしています。かつては「タイトルホルダー選手権」と「ウェスタンオープン」という大会もメジャーでしたが、ともに50年以上前に大会の歴史に終止符が打たれています。

しばらくメジャーは「全米女子オープン」と「全米女子プロ」の2大会でしたが、1979年にカナダ開催の「デュ・モーリエクラシック」が、1983年に「シェブロン選手権」（当時の大会名はナビスコ選手権）がメジャーに昇格して4大会となりました。

「デュ・モーリエクラシック」は2000年で終了し、代わって2001年から「全英女子オープン」がメジャー昇格。そして2013年に「エビアン選手権」が新たに加わり、現在の5大会制となったのです。

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男子

男子メジャー大会は下記の4大会です。

※開催順
「マスターズ」／「全米プロ」／「全米オープン」／「全英オープン」

最も古いのは、1860年に創設された「全英オープン」。同大会は、現存する世界最古のトーナメントでもあります。

続いて、全米ゴルフ協会が設立された翌年の1895年に「全米オープン」が、全米プロゴルフ協会が設立された1916年に「全米プロ」が始まりました。「マスターズ」が最も歴史が浅く、1934年に第1回大会が開催されています。

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日本のメジャー

女子

国内女子ツアーのメジャーは、公式競技と呼ばれています。下記の4大会です。

※開催順
「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」／「日本女子プロ」／「日本女子オープン」／「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」

第1回の女子プロテストが開催され、日本に女子プロゴルファーが誕生したのは1967年のこと。その翌年、1968年に「日本女子プロ」と「日本女子オープン」が創設されました。

「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」が始まったのは1979年で、当時は準公式競技という立場。翌年から公式競技に格上げされています。

「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」は1973年に始まった歴史ある大会ですが、公式競技となったのは2008年のこと。これで現在の4大会制が確立されたのです。

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男子

国内男子ツアーは、公式にメジャーを設定していません。優勝者に5年間の長期シードが与えられる「日本ゴルフツアー選手権」「日本オープン」「日本プロ」の3大会と、3年間シードの「ゴルフ日本シリーズJTカップ」をメディアなどが通例としてメジャーと扱っているのが現状です。メディアによっては「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を除いて「3大大会」と表記するところもあります。

また、上記の4大会を便宜的に「日本タイトル」と表すこともあります。最初にできたのが「日本プロ」で1926年のこと。これが、日本で初めてのプロトーナメントでした。続いて「日本オープン」が1927年にスタート。「日本シリーズ」は1963年に始まりました。

「日本ゴルフツアー選手権」は、現在男子ツアーを運営している日本ゴルフツアー機構が日本プロゴルフ協会から分かれて設立された翌年の2000年に、第1回大会が行われました。

また、1975年から2003年まで開催されていた「日本プロゴルフマッチプレー選手権」もメジャーとして扱われていた歴史があります。

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文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。