「パッティングの時、グリップをしっかり握るとブレない」は大間違い!上達の極意は“ゆるゆるグリップ”
あなたもパター巧者になれる!藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方 第24回
ミスパットは、打ち方が悪いのではなく、握り方(グリップ)に問題があるのかもしれない。
そこで自分の握り方を見直し、スコアアップを図ろう。
GOLF TODAY本誌 No.617/112〜115ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
「握り方」を見直す
左手の3本と右手の中指で引っかける
パターはヘッドの形状や長さが多種多様で、それに合う握り方(グリップ)も様々。唯一の正解はなく、真っすぐ打てるのなら何でもOKといえます。ただパットはドライバーなどのショットと違い、握り方を変えてもすぐに打てる(当たる)上に、ほんの少し変えるだけでストロークが劇的に良くなることがあるので見直してみましょう。
私の場合、そもそもクラブを握るというより、引っかけている感覚があります。左手の「小指、薬指、中指」の3本でクラブを引っかける感じ。左手でクラブを吊るように持つと、その感覚がわかると思います。
右手は「中指」を重視し、下からあてがってクラブを支えます。その他の指は添えているだけ。左右の手とも、親指と人差し指に力を入れると、ストロークの滑らかさが失われるので注意しましょう。
上の写真のように、左手の3本と右手の中指でクラブを引っかけ、合計4本の指を主体にしてストロークをする。もちろん実際はすべての指をクラブにつけていますが、このようなイメージです。全体のグリッププレッシャー(握る強さ)はソフトで、可能な限りソフトにしたほうがいい、というのが私の考えです。
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実際の握り方
Get in!攻略ポイント1|左手は小指、薬指、中指
小指、薬指、中指の3本でクラブを引っかけるように握ると、グリップエンドの動きが一定になる。
左手全体は深くかぶせずに「やや浅め」にすることで、手首の角度を安定させている。
Get in!攻略ポイント2|右手は中指を重視
中指を重視し、下からあてがう。その他の指は添えているだけで、余計な力を入れない。
グリッププレッシャーはソフトで、軽く握手をするくらいの力加減だという。
Get in!攻略ポイント3|テニスや卓球と同じです 「面」の向きを間接的に感じ取る
パターのフェース面と右手のヒラの向きを揃えることが基本
テニスや卓球はスイング中、ラケットの面を見ることなく操作し、球をコントロールします。それは右打ちの場合、右手のヒラや手首、ヒジなどで面の向きを間接的に感じ取っているからです。
ゴルフもこの感覚がとても重要です。パターのフェース面と右手のヒラの向きを揃えて握ることが基本ですが、握り方によってはその向きがズレることがある。そこで手首やヒジ、指の付け根や骨などどこでもいいので、一つの部位をフェース面とリンクさせるようにしましょう。
そして、その部位を目標方向に出せばボールが真っすぐコロがる、という感覚をつかむことが大切です。
また、方向性が悪くて悩んでいる人は、握り方を大きく変えてみるのも一策です。とくにクロスハンドグリップは手首を使わず、ショルダーストロークが作りやすいので、練習メニューとしても有効です。
握り方を大きく変える
手の位置を上下反対にするクロスハンドグリップ(左)は、手首を使い過ぎる人やパンチが入る人に最適。右手の指先でクラブをつかむクロウグリップ(右)は、フェースが開く人やイップス気味の人にオススメ。
Get in!攻略ポイント4|強く握るのはNG 右手1本のゆるゆるグリップで打つ
強く握ったほうがフェース面がブレないというのは間違い
箸を持つときや鉛筆で字を書くときにギュッと強く握りますか?ボールやゴミを投げるときに、指先に力を入れたり手首を固めたりしますか?力を入れれば入れるほど、感性が失われてしまい、繊細な動きができなくなる。これはパットも同じです。
パターは強くしっかり握ったほうがフェース面がブレないと思っている人がいますが、それは間違いです。強く握ってもフェース面がブレるのは、すべてのゴルファーが経験済みのはず。また、ミスに対する恐怖心によって強く握ってしまう人もいます。
まずは右手1本でパターを持ち、力を入れない、いわゆる「ゆるゆるグリップ」でボールを打ってみてください。力を入れなくてもボールは真っすぐコロがる。そして、余計な力を入れないほうが繊細なタッチが出せる。このことを理解し、感覚としてつかむことが上達の極意です。
右手1本の場合、手元を目標方向に出し、ややハンドファーストに構えたほうが打ちやすい。
左手1本で真っすぐ打つ
右手1本で正しい感覚をつかんだあとは、左手1本で打ってみよう。右手と同様、余計な力を入れずに真っすぐコロがればOK。
右手→左手→両手という順番で練習すると、理想的な力感が身に付く。
藤田寛之
ふじた・ひろゆき(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168センチ、70キロ。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げ賞金王に輝いた。昨年はシニアツアーで2勝。得意クラブはパター。
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