ゴルフルールを深読み|バンカーでも枯れ葉や小石を拾えるようになったが…
80台で回るためにも覚えておきたい!深読みルール
2019年より改正されたゴルフ新ルールでは、バンカーでも枯れ葉や小石を拾えるようになった。秋のコンペシーズンに入るとバンカー内でも枯れ葉が増えてくるだろう。これが取り除けるということで、新たなミスが増えそうな予感がある。
今回はその点を踏まえて、ルールの深読みをする。
バンカーでも枯れ葉や小石を拾えるようになったが……
【規則15.1より】
・コースのどこでも罰なしにルースインペディメントを取り除くことができる。
・ただし、グリーン以外でリプレースする場所にあるものは動かせない。
・動いている球に影響を及ぼすものを、故意に取り除くのもダメ。
バンカー内はソールできないが枯れ葉は拾える
新規則が施行されてから8カ月が経った。旗竿を立てたままのパッティングや、ヒザの高さからのドロップといった処置は、一般ゴルファーにも理解と慣れが浸透しつつあるようだ。
だが、いまだによく質問されるのが、ルースインペディメント、つまり枯れ葉や小石を取り除く際のアレコレだ。
旧規則と大きく変わった点は、ペナルティーエリアとバンカーでも無罰で取り除けるようになったことだが、このこととソールの可否が、結構混同されている。
以前は赤杭内でもソールはできなかったが、新規則ではできるようになった。〝ボールの近くにある枯れ葉や小石を取り除いて、ソールして打つ〟という一連の流れは、フェアウェイやラフなどのジェネラルエリアと全く変わらなくなったわけだ。
それがバンカーでも同じ流れになると勘違いし、ソールもできる、という考えになるらしい。
もちろん、新規則でもバンカー内ではソールできない。やわらかい砂地では、軽くソールするだけでも明らかにライが変わってしまう。それは認められないとR&Aは判断したはずだ。
基本的に〝ライの改善〟を避ける発想であれば、バンカーではソールしないし、ペナルティーエリアではソールしてもいいと思えるはず。ルースインペディメントの処置とは、しっかりセパレートして覚えてほしい。
落ち葉の季節、バンカー内は要注意?
さて、秋のコンペシーズンに入ると、バンカー内でも枯れ葉が増えてくるだろう。これが取り除けるということで、新たなミスが増えそうな予感がある。
最初から枯れ葉に触れず、あるがままに打つつもりなら問題ない状況。だが、ボール際の枯れ葉が取り除けるとなると、うっかりボールを動かしてしまうリスクが増えるのではないだろうか。
一番危険なのは、ボールの下に枯れ葉が挟まっている場合。近くの枯れ葉を取り除いたつもりが、そのボール下の枯れ葉に触れて、ボールを動かしてしまう、といったケースがありそうだ。
小石や枯葉などのルースインペディメントを取り除く際に、ボールを動かしてしまった場合は、1罰打でリプレース。この点はジェネラルエリアと変わらない。
もし、多くの枯れ葉に埋もれた状態で、ボールの上の葉をどけようとしてもボールが動きそうな状況なら、慎重にそのまま打つより、アンプレヤブルがオススメだ。
そのまま、枯れ葉を取り除こうとしてボールを動かしてしまったら、同じ1罰打でも枯れ葉の上から打つことになる。それより、1罰打を先に払って正しい別な場所へドロップすることで、確実に枯れ葉を避けた良いライから打てる。ドロップなので、落とす場所の枯れ葉も事前に取り除くことができる。
この処置方法は、ボールが小石にくっついて止まっている場合も有効だ。小石や枯れ葉を取り除くことに余計な神経を使うより、スマートなプレーを心掛けると、さらに楽しめるようになるだろう。
[関連]2019年 ゴルフ新ルールへ大改正!OB・ドロップ・パットなど変更点まとめ
イラスト/庄司 猛
GOLF TODAY本誌 No.568 127ページより
【シリーズ一覧】
●ドロップのボールを落とす位置が膝の高さになった理由・目的は?
●旗竿(ピン)を立てたままパッティングできるようになったが…
●バンカーでも小石や枯れ葉を取り除けるようになったが…
●スタンス確認、キャディもクラブも使えなくなったが…
●距離計測機器を競技でも使えるようになったが…
●傷ついた球を立ち会いなしで交換できるようになったが…
●損傷したクラブは修理して使えるようになったが…
●地面にくい込んだ球は救済を受けられるが…
●バンカーでも枯れ葉や小石を拾えるようになったが…
●球を探せる時間が3分以内と短くなったが…
●打ち直しは“救済エリア”から打てるようになったが…
●打球が自分に当たっても無罰で打てるようになったが…