ゆで卵・チーズ・飲むヨーグルト…朝食によさげな食品は、プレー中のおやつにも最適だった!
ラウンド中のオススメおやつを紹介! ゴルフを変える腸活エキストラ
18ホールスループレーが普及して間食の必要性がアップしている昨今、腸活エキスパートの小林暁子先生に、ラウンド中の賢い間食の摂り方をアドバイスしていただきました。コンビニで手軽に買えるオススメおやつで、エネルギーも集中力もしっかりチャージしましょう!!
指導・小林暁子先生(医学博士)
順天堂大学医学部を卒業、2012年小林メディカルクリニック東京を開業。便秘外来、内科、皮膚科、女性専門外来などさまざまな不調に対応。一般の患者さんだけでなくトップアスリートからも厚い信頼を寄せられている。便秘外来では、のべ20万人以上の治療に携わるとともに腸内環境の正しい知識普及につとめる。『今日からはじめる健美腸ルール(講談社エディトリアル)』『2週間で腸が若返る!美腸ダイエット(世界文化社)』など著書多数。
テーマ 第6回【卵・乳製品編】
かつては遠足の楽しみだった完全食品の“ゆで卵”に注目!!
“昔ながらの”ゆで卵で手軽に栄養補給
ひと昔前の食生活、コンビニがなかった時代にポピュラーだった間食を振り返るとき、必ずといっていいほど挙げられるもののひとつがゆで卵です。遠足やピクニックでは、お弁当のプラスαにもおやつにもなったものです。昔ながらのゆで卵は、今でも間食として、また一人暮らしの学生さんや会社員はじめ多くの方の朝食や昼食として重宝しているようです。
これほど長い年月ゆで卵が人気なのは、安価で調理に手間も時間もかからず、ゆでたらすぐ食べられるし、作り置きも可能という手軽さからでしょう。さらにコンビニでも買えるようになり、ゆでる手間さえ省けるようになりました。1個ずつパック詰めされているので殻が割れる心配なく持ち運びもしやすいので、ゴルファーの皆さんの間食にもオススメです。
免疫力アップで新型コロナ予防の一助に!!
卵は「完全食品」といわれます。その理由は、食物繊維とビタミンC以外の人体に必要な栄養素をすべて含んでいるからです。医薬品としてもすぐれた薬効があるため、食品だけでなく医療の場でも役に立っています。
このように栄養満点のゆで卵には、たんぱく質、ビタミンD、亜鉛などが特に豊富です。これらはラウンドで傷ついた筋肉や皮膚や髪の修復に役に立つだけでなく、近年は免疫細胞を活性化させて細菌やウィルス感染を予防することがわかってきています。新型コロナウィルスが世界的に蔓延しているいま、少人数で屋外のコースを回るゴルフは感染リスクが低いとはいえ、どうせ間食をとるならゆで卵を積極的に食べて少しでも免疫力を上げて備えたいものです。
完全食品も油断大敵!手洗い、保冷は必須
コンビニには固ゆでも半熟もありますが、栄養素に変わりはありません。殻をむく時間と手間がかかるのと卵のボリュームを考えると、ちょこっと口に入れるというわけにはいかないので、ハーフターン時などの待ち時間にカートやベンチに腰を下ろして食べましょう。食べる前にしっかり手を洗うか、アルコール除菌ペーパーなどで手をきれいにすること、むいた殻は卵が入っていたパックに入れて持ち帰ることも忘れずに。添え付けの塩をふって食べれば夏場の脱水症予防にもなります。殻をむくのが苦手な方は、うずらの燻製卵もオススメ。おつまみとしても人気で、より手軽に食べられます。ゆで卵は火を通してありますが、長く保存できるものではありません。夏場はできるだけ保冷バッグに入れて早めに食べましょう。
ゴルフ場では飲むヨーグルトがオススメ
さて、主に牛乳から作られる乳製品にも、卵に負けず劣らず人体に必要な栄養素をほとんど含まれています。特に、たんぱく質源としてすぐれていて、骨に必要なカルシウムを多く含んでいます。
代表的な製品には、牛乳、ヨーグルト、チーズなどがあります。私は、たんぱく質、カルシウム、ビタミンA、B1、B2が豊富で腸内環境や肌荒れ改善に最も有効な食品の一つであるヨーグルト(乳を原料とした乳酸菌による発酵食品をいいます)を毎日200g食べましょうと患者さんにアドバイスしているのですが、ラウンド中の間食には製品形状からして適しているとはいえません。できればコース以外の場所で召し上がっていただきたいと思います。
乳製品が好きな方、またどうしても間食にしたい方には、保冷バッグがあればという条件付きでブリックパックの牛乳やヨーグルトドリンク(ヨーグルトを均一の液状にしたもの。ほとんどが加糖です)をコンビニで買う方法もあります。ただ、保冷バッグに入れているからと安心せず、鮮度が高く、いい乳酸菌をとるためにも購入後はできるだけ早めに飲んでください。
乳酸菌を発酵させた個包装のチーズを探そう
チーズも乳酸菌を発酵させた食品。カルシウムがたっぷり含まれていることでも知られています。牛、羊、やぎの乳などの原材料が多いのですが、製法によってさまざまなカビがつけられて熟成し、それぞれ独特な色や味や匂いがあります。コンビニやスーパーで手に入りやすいのは、ベビーチーズ、キャンディチーズ、スモークチーズ、さけるチーズなど。個包装されているものはラウンド中も片手でパッと食べられます。
ふだんお食事やお酒のおつまみとしてチーズを食べ慣れている方でしたら、カマンベール(白カビで中がクリーミー)、エメンタール(よくアニメでネズミが好む多数の穴=ガス孔=が空いたタイプです)、ゴーダ(オランダ発祥。サンドイッチやピザによく使われます)、チェダー(イギリス発祥の硬質チーズ。オレンジ色)にも目がいくと思います。カマンベールでしたら個包装になっていますし、他のものは個包装の詰め合わせもありますので、お気に入りを楽しむとよいでしょう。
ただし、中が溶けやすいカマンベールは夏場控えるのが無難です。他のものも乳製品ですので、保冷バッグに入れて早めに食べた方がいいのは同じです。多くのチーズには塩分が含まれていますので水分を補給することも忘れずに。またチーズの匂いが苦手な方もいらっしゃいますので、独特なものは控えるか、少し離れたところで開封する心遣いも必要ですね。
【卵・乳製品の効能は…】
・卵は、食物繊維、ビタミンC以外のすべての栄養素が含まれた完全食品
・筋肉や皮膚や髪の修復
・免疫細胞を活性化させる
・ヨーグルトは腸内環境を整えるのに有効
・肌荒れ改善、美肌効果
・チーズに含まれる乳酸菌は腸を整え、骨を丈夫にする
【ゴルフへの影響】
・ゴルフスイングで傷ついた筋肉の修復に役に立つ
・新型コロナの感染予防を助ける
・ラウンドで傷んでしまった肌を整え、骨を丈夫にする
【オススメの卵・乳製品リスト】
・ゆで卵、うずらの燻製卵
・牛乳、飲むヨーグルト
・スモークチーズ、さけるチーズ、ベビーチーズ、キャンディチーズ
・カマンベール、詰め合わせチーズ(エメンタール、ゴーダ、チェダーなど)
【いつどこで食べる?】
・ブリックパックや個包装のものを保冷バッグに入れて持ち歩く
・できるだけ早めに、ショットの待ち時間に食べる
【食べ方注意点】
・ゆで卵の殻をむいたら入っていたパックに入れ、持ち帰る
・匂いのあるチーズを食べる時は人と離れたところで開封
取材・文/野上雅子
【シリーズ一覧】
●第1回:【フルーツ編】
●第2回:【ナッツ豆類編】
●第3回:【肉魚類編】
●第4回:【海藻類編】
●第5回:【ドライフルーツ編】
●第6回:【卵・乳製品編】
●第7回:【お菓子編】
●第8回:【いも栗類編】
●第9回:【野菜編】
●第10回:【米類編】