ゴルフ上達関節調律師が解説「スイングが改善するカラダの使い方」|第7回 少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる!
「もっとゴルフのスコアを伸ばしたい!」と日々練習を重ね、スイングに悩まれているゴルファーの皆様、スイングの時に骨や関節がどのように動いているか、考えたことはありますか?
実は、体の構造や動かし方の「知識」を得て「意識」して動くことで、スイングが変化し飛距離が伸び、痛みなく楽にクラブを振ることができるようになるのです。
スイングが改善する体の使い方の専門家として、個人サロンで「1回で平均15ヤード飛距離が伸びる施術」を行っている「ゴルフ上達関節調律師」の山本優子さんに、スイング改善のためのエクササイズや、日常生活での体の動かし方について連載でレクチャーしていただきます!
・第1回:ゴルフ解剖学
・第2回:『胸椎バンザイ』エクササイズ
・第3回:『胸椎でんでん』エクササイズ
・第4回:『頚椎くるくる』エクササイズ
・第5回:『仙骨ごろりん』エクササイズ
・第6回:目かくしゴルフ
・第7回:少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる!
・第8回:脱力を意識する
・第9回:呼吸を意識する
・第10回:動作の癖を意識する
少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる!
こんにちは。ゴルフ上達関節調律師の山本優子です。
第1〜7回の記事で、脱力関節調律®に基づいたスイングを改善するためのエクササイズをご紹介してきました。
私のメソッド・脱力関節調律®についてや、ゴルフをする上で知っていただきたい体の構造については「第1回:ゴルフ解剖学」をぜひご覧ください。
今回は日常生活においても、体についての「知識」を得て「意識」して体を動かすことで、スイングの改善を含めゴルフのパフォーマンスアップにも良い効果があることをご紹介いたします。
少しの「知識」を入れて、少し「意識」して体を動かそう
スイング改善のためのエクササイズをご紹介する中で、繰り返しお伝えしてきたことですが、
少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる
すなわち
少しの「知識」と少しの「意識」でスイングは変わる
ということを、改めてお話したいと思います。
ご自身の体を変えることができるのは、自分自身しかいません。
私は脱力関節調律師として、お客様に体を変えるきっかけを与えることができれば幸いだと思いながら、日々お伝えしています。
体に不調があり治療を受ける場合でも、ご自身が意識を変えなければ、どんなに凄腕の治療家でも本当に根本から治療することは難しいのではないかと思います。
「自然治癒力」という言葉があるように、治す力はご自身に備わっているのです。
「意識」して動く習慣が身に付けば、それはいつか「無意識」でもできるようになります。
「意識」の仕方がわかっていれば、自分の体の小さな異変にも気づき、大事に至る前に対処することができます。
「意識」の仕方がわかっていれば、どんなシチュエーションでも思い通りのスイングをすることができます。
そのためには少しの「知識」が必要です。
「知識」がないと、体に意識を向けることができません。
「知識」がないと、自分の体の異変にも気づきようがありません。
「知識」がないと、スイングの改善ポイントも気づくことができないのです。
体は脳からの命令で動いています
まずは「知識」として正しい動きを知ることが大切です。
体は全て脳からの命令で動いています。脳からの命令がなければ、筋肉はスーパーに並んでいるお肉と同じです。
「知識」として正しい動きを知らずに動かしているのは、自動車を無免許運転しているのと同じようなものです。
事故が起きる(体を痛める、パフォーマンスが上がらない)のも当然なのです。
まずは「知識」を入れて「意識」して体を動かす。
その連続で「意識」していたものが「無意識」に、自然体でできるようになるのです。
決して難しいことではなく、ほんの少しで良いのです。
体が自然体に戻れば戻るほど、ゴルフのパフォーマンスも上がってくると私は考えています。
ゴルフの動作はとてもシンプルです。
そのため、私はもともとゴルフのパフォーマンスアップの指導をしていたわけではなく、治療の中で正しい体の動かし方をお伝えしていただけです。
正しい体の使い方を習得したお客様が、ゴルフのスコアを上げていったのです。
いろいろな癖を取り除いて、どんどんシンプルに動いてもらっただけなのです。
正しい動きを知るからこそ、シンプルに動くことができるのです。
無意識にスイングしても良い動きができるようになるためには、少しの「知識」と少しの「意識」が必要です。
体は生活習慣でつくられている
「母もこんな姿勢なので、遺伝のために私も妹も同じなのです」
「もう歳だから仕方ないと思うのですが…」
施術にいらっしゃるお客様からは、このような声を伺うことがよくあります。
遺伝も年齢も、全く無関係ではないかもしれません。
しかし、肩こりや腰痛、疲れやすさなどの漫然とした体の不調、姿勢不良は、動作の癖の積み重ねでつくられていると私は考えています。
というのも、遺伝や年齢のせいと思われていた症状が改善されるのを、何度も目の当たりにしているからです。
お客様のエピソードをご紹介します。
・杖で歩いていた70代の女性
背骨が右に曲がり、腰を90度近く折って杖で歩き「もう歳だから仕方ないの」とおっしゃっていました。
しかし、施術で何度も体の構造を伝え、正しい動きを習得できるよう練習するうちに、みるみる背骨や腰が伸び、いつの間にか杖も手放していました。
歩くスピードも早くなり、印象も若々しくなりました。年齢のせいならば、70代で劇的な変化は起きないはずです。
この方の劇的な変化のポイントは、体の正しい構造を知り、体の楽な動かし方を習得し、意識的に体の動かし方を変えていったことです。
・股関節の痛みを抱えていた50代女性
当初、左右の脚の長さが10cmほど違いました。股関節と腰に痛みがあり歩くのも困難なほどで、遺伝のためと思われていらっしゃいました。
施術をさせていただくと、20分ほどで脚の長さがほぼ整い、歩行時の痛みも激減しました。
その後、施術の間隔を1週間、2週間、3週間と広げていきましたが、初回から4か月経過した時点でも、脚の長さに左右差のない状態をキープされていました。
何故キープできるのかというと、普段歩く時に気をつけることを守っていただき、私からの宿題としてお客様向けのエクササイズをご自宅で継続していただいたからです。
「無意識」でも無理なく歩けるぐらいに、日常生活の動作を「意識」していただきました。
体の声に耳を傾ける
日常生活から体の使い方を意識
上記のエピソードからも言えることですが、体は、普段の使い方の積み重ねで痛みが起きることもあれば、痛みがなくなることもあります。
深いお悩みがある症状も、日常生活の小さな癖が改善されれば、緩和されるかもしれません。
どんなゴットハンドに施術してもらっていても、ご自身の癖が治らない限り、また同じ痛みで悩まされるのではないかと思います。
ゴルフも同じです。
ゴルフをして痛みが出てしまうということは、ゴルフの動作に問題があるのです。
ゴルフをした後に治療をしても、ゴルフ中の痛みの原因となっている動きを変えない限り、同じ痛みに繰り返し悩まされてしまうのです。
とにかく体はどう使うかで、変化します。
小さなことで、良い方にも悪い方にも体は変わります。
ご自身の生活やスイングの中にも必ずヒントはあるのです。
また、私は病気や怪我は防げるものも多いのではないかと思っています。
大事に至る前に、必ず体にサインは出ているのです。
例えば、
・少し動きが悪い
・ある部分の力みが抜けない
・なんだかいつもと感覚が違う
こんな些細なことかもしれません。
この段階で、少し動きの悪い部分、力みがとれない部分を労り、弛めて丁寧に動かしてみる。
「いつもと感覚が違うのはなぜだろう?」と考えてみて、その原因となっている日常生活を改善してみる。
少しのことで体を通常運転に戻してあげられます。
体のサインを無視して積み重ねていった結果、大きな病気や大きな怪我となり体に現れます。
「もう限界だよ」と声を大にして体に現れるのです。
「ちょっと辛くなりそう」「少し疲れ気味かな」くらいの段階でケアをしてあげてください。
痛みがある時に、すぐに病院に行くのではなく、少しでもご自身の体や日常の生活に目を向けて、原因を考えてみてはいかがでしょうか。
是非、ご自身の体の声に耳を傾けてみてください。
次回からは、日常生活の体の動きの中で、意識するポイントについてご紹介していきます。スイング動作の改善にも繋がりますよ!
監修:ゴルフ上達関節調律師 山本優子(やまもとゆうこ)
1992年生まれ、神奈川県出身。大学で医療と運動指導について学び、柔道整復師と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーを取得。大学卒業後、パーソナルトレーナーなどの経験を経て、脱力関節調律®︎を独自に開発。2018年に個人サロンnaturacaを設立し独立。口コミだけで年間1000件以上の指導実績がある。2019年4月に自著『目かくしゴルフ』を出版し、一般社団法人日本脱力関節調律協会を設立、代表理事に就任。
naturac
一般社団法人日本脱力関節調律協会
関連リンク
・第1回:ゴルフ解剖学
・第2回:『胸椎バンザイ』エクササイズ
・第3回:『胸椎でんでん』エクササイズ
・第4回:『頚椎くるくる』エクササイズ
・第5回:『仙骨ごろりん』エクササイズ
・第6回:目かくしゴルフ
・第7回:少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる!
・第8回:脱力を意識する
・第9回:呼吸を意識する
・第10回:動作の癖を意識する