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ゴルフ上達関節調律師が解説「スイングが改善するカラダの使い方」|第4回 『頚椎くるくる』エクササイズ

2019/09/12 ゴルフサプリ編集部

「もっとゴルフのスコアを伸ばしたい!」と日々練習を重ね、スイングに悩まれているゴルファーの皆様、スイングの時に骨や関節がどのように動いているか、考えたことはありますか?

実は、体の構造や動かし方の「知識」を得て「意識」して動くことで、スイングが変化し飛距離が伸び、痛みなく楽にクラブを振ることができるようになるのです。

スイングが改善する体の使い方の専門家として、個人サロンで「1回で平均15ヤード飛距離が伸びる施術」を行っている「ゴルフ上達関節調律師」の山本優子さんに、スイング改善のためのエクササイズや、日常生活での体の動かし方について連載でレクチャーしていただきます!

第1回:ゴルフ解剖学
第2回:『胸椎バンザイ』エクササイズ
第3回:『胸椎でんでん』エクササイズ
第4回:『頚椎くるくる』エクササイズ
第5回:『仙骨ごろりん』エクササイズ
第6回:目かくしゴルフ
第7回:少しの「知識」と少しの「意識」で体は変わる!
第8回:脱力を意識する
第9回:呼吸を意識する
第10回:動作の癖を意識する

スイング動作と首を回す動作の関係

首が回しづらくありませんか?

こんにちは。ゴルフ上達関節調律師の山本優子です。第4回は、脱力関節調律®に基づいたスイングを改善するためのエクササイズの中でも、首に関する運動をご紹介いたします。

私のメソッド・脱力関節調律®についてや、ゴルフをする上で知っていただきたい体の構造については「第1回:ゴルフ解剖学」をぜひご覧ください。

日常生活で首が回しづらいことありますか?

これまでの記事で、スイングは体幹部を捻る動作、つまり回旋の動きが大切であることをお伝えしてきました。ここで、首の可動域についても考えてみましょう。

日常の動作の中でも、首が回しづらいという方は少なくありません。首が回しづらいという症状があると、日常生活での制限が多いように思います。
例えば、車やバイク、自転車などでの後方確認、後ろから声をかけられた時の振り向き動作など、首を回す機会は多いのです。

ところで、首も背骨の一部であることはご存知ですか?
ゴルフ上達関節調律を受けにいらっしゃるお客様とお話ししていると、肩の高さくらいから骨盤までが背骨だと思われている方が多いと感じます。

首も背骨の一部です

実は背骨の一番初めの骨は、鼻の真後ろに位置しているのです。頚椎(けいつい)の1番目の骨、つまり首の1番上の骨でもあります。

背骨は、鼻の真後ろから骨盤までの間に24個の椎骨(ついこつ)が並んでいます。この24個の椎骨は、3つのパートに分かれています。

上の7個が頚椎、肋骨がついている胸部の12個が胸椎(きょうつい)、その下の腰部の5個が腰椎(ようつい)です。
この頚椎、胸椎、腰椎のうち、回旋が最も得意なのはどこでしょうか?

「第2回:『胸椎バンザイ』エクササイズ」の記事で腰椎より回旋が得意なのは、胸椎とお伝えしました。
その胸椎よりも回旋が得意なのは、実は頚椎になります。

背骨の軸回旋の可動域は、頚椎は50度、胸椎は35度、腰椎は5度です。首が一番可動域が広いですね!
しかも、頚椎の7個の骨が均等に回旋可動域を持っているわけではありません。
頚椎の1番と2番の間の関節が、頚椎の回旋の動きの半分を担っているのです。

つまり、首の回旋可動域が出ないと、体全体の回旋動作の大半が制御されてしまうことになります。

スイングの動きでは首をぐるぐる回したりすることはありませんが、軸回旋の要である、頚椎の1番と2番の間の「環軸関節」と呼ばれる関節の動きが大切になってきます。

特にスイングを振り切った後、「環軸関節」の動きが良いか悪いかで、回旋動作に余計なブレーキがかかるか、かからないかが決まってきます。

頚椎の動きが悪いと回旋運動にブレーキがかかる

頚椎の動きが良いと体幹もスムーズに回旋できる

頚椎の1番と2番の構造は他の椎骨の形と少し違い、特徴があります。
その特徴を知り、骨の形や動き方をイメージしながら動かすだけで、今より首の回旋可動域を出すことができます。

私の施術で動かし方を1回指導しただけでも30〜45度ほど可動域が広がり、スムーズに動かせるようになる方が多いです。

頚椎を動かすためのエクササイズ「頚椎くるくる」

頚椎について知りましょう

エクササイズのご紹介の前に、背骨の3つのパートのうちで、一番回旋動作が得意な首、いわゆる頚椎について解説します。骨の位置や動作を知ることで、よりエクササイズの効果を上げることができます。
少しの「知識」と少しの「意識」で体の動きは変わるのです!

頚椎は7つの椎骨から構成されていますが、45〜50度の可動域を7つの椎骨で均等に担っているわけではなく、頚椎の1番と2番が半分を担っています。

  • 1番は環椎(かんつい)…リング状の骨
  • 2番は軸椎(じくつい)…環椎に刺さるように突起が付いている骨

位置は、1番の環椎が鼻の後ろ、耳の穴のすぐ奥にあり、2番の軸椎の突起に1番のリング状の骨がはまり込み、回旋するような構造になっています。
そこで、椎骨の1番と2番の関節は「環軸関節」とも呼ばれています。

背骨の中で最も回旋動作が得意な関節がきちんと動くことで、回旋動作全体にかかるブレーキがなくなっていきます。

スイングの動作に、首の回旋可動域はあまり関係ないと思われるかもしれませんが、1番と2番の関節が回旋しないと、首回りに力が入ってしまい、滑らかなスイングができなくなるのです。

それでは、頚椎の1番、2番の動作を改善するエクササイズをご紹介しましょう。

ゴルフ上達エクササイズ:頚椎くるくる

首が真っ直ぐになる高さの枕を入れて、仰向に寝る。

左右30度ほど、リラックスしてゆるゆると首を振る動作を繰り返す。

頚椎の動きをイメージしながら繰り返し行う。

●ポイント

首の動きは小さくても良いので、リラックスしてスムーズに動かしましょう。
その際に、頚椎の1番と2番の構造
・頚椎1番の位置は鼻の真後ろでリングの形
・頚椎2番は突起が付いていて、頚椎1番のリングに刺さるような位置にある
を頭の中で強烈にイメージします。

仰向けでできるようになったら、立位や座位でも行ってみてください。ラウンドや練習前にもおすすめです。
椎骨を意識しながら動かすことで、体幹全体の可動域が広がり、余計な力を入れずにスイングすることができます。


監修:ゴルフ上達関節調律師 山本優子(やまもとゆうこ)

1992年生まれ、神奈川県出身。大学で医療と運動指導について学び、柔道整復師と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーを取得。大学卒業後、パーソナルトレーナーなどの経験を経て、脱力関節調律®︎を独自に開発。2018年に個人サロンnaturacaを設立し独立。口コミだけで年間1000件以上の指導実績がある。2019年4月に自著『目かくしゴルフ』を出版し、一般社団法人日本脱力関節調律協会を設立、代表理事に就任。

naturaca

一般社団法人日本脱力関節調律協会

取材・編集/ゴルフサプリ編集部 坂本緑


ゴルフ上達関節調律師が解説「スイングが改善するカラダの使い方」

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関連リンク
第1回:ゴルフ解剖学
第2回:『胸椎バンザイ』エクササイズ
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第4回:『頚椎くるくる』エクササイズ
第5回:『仙骨ごろりん』エクササイズ
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第9回:呼吸を意識する
第10回:動作の癖を意識する