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「アイアンはダウンブロー」はもう古い! レベルブローが方向性&距離感安定の決め手!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.4

2020/11/27 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第4回は、アイアンショットの正確性を上げるコツをレクチャー。大西コーチいわく、「アイアンはレベルブローに打つのが正解です!」。

今どきのアイアンは、スイング軌道の最下点でボールをとらえるのがいい

上から急角度で打ち込むとインパクトが「点」になりやすい

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はアイアンショットが正確に打てるようになるポイントをアドバイスしたいと思います。

皆さんもよくご存知のようにクラブの性能が昔よりもよくなって、アイアンもかなり打ちやすくなってきましたよね。簡単にいうと重心が低くなり、ソールの厚みが増してクラブの抜けがよくなった。しかもボールが上がりやすくて、力のない人でもキャリーを出しやすい。ということは、打ち方も昔と今では変わったと考えるべきでしょう。昔のフェース面が薄くて重心が高いコンベンショナルのアイアンの場合は、フェースターンを使いつつ、上からダウンブローに打ち込まないとボールが上がりにくい面がありました。ボールにパワーをしっかり伝えやすくするためにも、横の体重移動を使ってスイングする人も多く見られたようです。

でも今どきのアイアンは低重心設計でボールが上がりやすくなっていますから、昔ほど鋭角に打たなくでもいいのです。ボールを上げようとして、しゃくり打ちになってしまう人も多いけれども、ダウンブローに打ちすぎる人が多数派です。

どうしてダウンスイングの軌道が急角度になってダウンブローに打ちすぎてしまうかいうと、「ハンドファーストに打とう」という意識が強すぎるからではないでしょうか。アドレスで両手を目標方向に出しすぎた極端なハンドファーストの構えが、鋭角に打ち込みすぎてしまう一番の原因といえます。決してハンドファーストが悪いわけではありません。ただ鋭角に打ち込みすぎてはインパクトが「点」になりやすいですし、インパクト時の衝撃が案外大きくて距離感や方向性に狂いが生じやすいのです。

大西コーチが使っているアイアンはプロ仕様だが、「昔より重心が低くなって、やさしく打てます」と言う。
以前は重心が高くてボールが上がりにくかったため、バックスイングでフェースを開き、鋭角に打ち込む技術が要求された。
ハンドファーストにインパクトし、さらにフェースターンを使うことでキャリーアップをはかっていた。
横の体重移動を使おうとしてバックスイングで上体を右にスライドし、切り返しで左足を強烈に踏み込んで鋭角に打ち込むパターンも多く見られた。
ハンドファーストの意識が強いと、過度のダウンブローになりやすい。間違いではないか鋭角に打ち込みしすぎてはインパクトが「点」になる。

Y字に構えれば、クラブを鈍角に振り下ろしやすくなる

7番アイアンのショットでボールの位置はスタンスの中央か、それよりも1個分左が目安です。両手の位置はカラダの中心でいいでしょう。真正面から見ると、両腕を、クラブがアルファベットの大文字のYに見えるような体勢です。バックスイングでは右ヒザがアドレスの位置よりも右に流れないようにしましょう。右足に体重を乗せようと思わないで、アドレスの位置のままでカラダを軸回転させるのです。そして切り返しで体重を左足に乗せたら、クラブヘッドを早く戻してあげるイメージで振り下ろします。無理にタメを作らないで、クラブを鈍角に振り下ろすという感覚です。

昔はスイング軌道の最下点の手前でボールをとらえるといいましたが、今どきのアイアンはスイング軌道の最下点でとらえるイメージがいいと思います。ダウンブローでもアッパーブローでもなくて、正確にいうならレベルブロー。ターフを深く取らないで、薄く長く取る。そうすればインパクトの瞬間の衝撃もなく、ヘッドの抜けがよくなる。結果として長いインパクトゾーンが作られて、ショットの正確性がアップするのです。

アドレスでY字に構えても、ダウンスイングで下半身が先行すれば、インパクトで腰がやや開きますから、自然とハンドファーストの形が作られます。あとはフェース面でボールを目標方向に押して上げるイメージで振り抜きましょう。

この感覚を体感できる練習法をお教えしましょう。最初にアドレスの姿勢になり、次に腰を少し左に回して左足に体重を乗せます。これが理想的なハンドファーストインパクトの体勢です。そしてバックスイングをとらずに、その体勢からフォロースルーへとクラブを素早く振り出してボールを前に飛ばしましょう。実際にやってみると、フェース面で押し込む感覚がよくわかります。手首をこねたり、しゃくりあげるような動きになったりしてはボールを前に飛ばせません。アイアンは鋭角に打つよりも、「緩やかなダウンブロー」で長いインパクトを実現し、さらにフェース面でボールを真っすぐ押しておくイメージが重要です。これをしっかりと頭に入れて、練習に取り組んでください。

アイアンをダウンブローに打ちすぎる人は、両手をカラダの中心線上にセットしよう。
ハンドファーストに構えすぎるのは今どきのアイアンに合わない。
バックスイングで右ヒザの位置をしっかりキープ。右ヒザが流れるのはNGだ。
アドレスの位置のままでカラダを捻転する。胸を右に90度回すだけで体重が自然に右足に乗る。
切り返しで体重を左足に乗せたら、タメを作らないでクラブヘッドを早めに戻すイメージでダウンスイング。
クラブヘッドが鈍角に下りてきて、スイング軌道の最下点でボールをとらえる。
フェースターンを使わずに、胸を目標に向けるイメージでカラダをターンする。
フェース面でボールを真っすぐ押し込む感覚をマスターする練習。まずアドレスの姿勢からインパクトの形を作る。
バックスイングをとらずに、カラダの回転をフルに使ってフェース面でボールを押す感じで飛ばそう。
手先を使わずに、カラダの回転で飛ばすのがコツ。このイメージがアイアンの上達に役立つ。
手首をこねるような動きでは、フェース面でボールを飛ばすことができない。

最後に動画でチェック!

スイング軌道の最下点でボールをとらえるイメージ。これでアイアンショットの距離感と方向性が劇的にアップ。

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ



大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」

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【シリーズ一覧】
●第1回:テークバックの始動で左前腕部を少し「外旋」させるのが真っすぐ飛ばすコツ
●第2回:バックスイングでは左ヒザをなるべく動かさないように「我慢」しよう
●第3回:手やグリップをカラダから遠ざける感覚でダウンスイングしよう
●第4回:今どきのアイアンは、スイング軌道の最下点でボールをとらえるのがいい
●第5回:タオルを使った練習法でスイング軌道とクラブの入射角を整えよう
●第6回:アプローチの打ち方はシンプルがベスト! 手先に頼った複雑なスイングはもうやめよう
●第7回:歩く動作のナチュラル感覚をアプローチスイングに応用する
●第8回:ボールの1個手前をめがけて、クラブを鈍角に入れるのが今風のバンカーショット
●第9回:カップを大きな円と仮定し、アプローチ感覚でストロークすればタッチが合いやすい
●第10回:タイガーのようにカップを狙い撃ちするつもりでストロークするのがコツ!
●第11回:フェースよりもソールを使うことを意識するとグッドショットの確率アップ