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アプローチは手を使わない!「お腹の回転だけ」で打つのが大正解!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.6

2020/12/11 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第6回は、グリーン周りからのアプローチがすぐにうまくなるポイントをレクチャーしてもらおう。これでスコアアップに大きく前進できる!

アプローチの打ち方はシンプルがベスト! 手先に頼った複雑なスイングはもうやめよう

グリップエンドとお腹の間隔をキープし、お腹の左右回転でスイングする

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はアプローチ上達のポイントを解説していきたいと思います。「アプローチはスコアメイクの一番のカギ」とよくいわれるように、グリーン周りからのアプローチでザックリやトップ、シャンクなどのミスが発生してはスコアをロスしてしまい、下手すると大叩きにもなりかねません。ところでどうしていろいろなミスが出てしまうかというと、手先の動きでクラブを操作しているのが一番の原因です。

グリーン周りからのアプローチはピンまで20〜30ヤードといった場面が多いですよね。ドライバーやアイアンなどのロングショットではカラダをしっかり回転できる人でも、ピンまでの距離が近いとカラダを回すことを忘れてしまいがち。カラダが回転しないと腕や手を稼働させてクラブを振るしかありませんよね。これがスイング中に腕をネジったり、手首をこねたりしてフェースの向きを狂わせてしまうことになるんです。スイングの軌道が安定しないからインパクトの打点にもズレが生じて様々なミスが発生します。ダフリしか出ない、トップしか出ないという人は案外少なくて、ダフリもトップも出るし、たまにシャンクとかヒッカケも出てしまう人がとても多いんですよね。それはスイングの再現性や反復性に大きくかけているからです。

ボクがアマチュアの方にアプローチの基本の打ち方をお教えするときは、「構えたときのグリップエンドとお腹の距離をキープしましょう」とアドバイスしています。グリップエンドとお腹がつながっているとイメージし、お腹の回転でスイングするのです。

ピンまでの距離が近いのでスイングの振幅は小さいけれど、カラダの回転を主体としないといけません。「えっ、こんなに小さいスイングなのにカラダを回すの?」と驚いた人たちは、プロたちのアプローチのスイングをよく観察してみてください。腕や手を動かしてクラブを振っているように見えても、実際は腕や手はほとんど使わないで、カラダの回転でクラブを振っているのです。肩を回すというよりは、腕とクラブをカラダの真正面にキープし、お腹を左右に回転させるイメージを持つほうがスイングの再現性や反復性が高まり、インパクトの正確性がアップすると思います。

アドレスでグリップエンドとお腹がつながっているとイメージしよう。
お腹を右に回してテークバック。腕や手は使わないようにすることが大切。
腕とクラブを常にカラダの正面にキープしてスイングする意識を持とう。
小さなスイングでも腕や手に頼らないでカラダの回転主体でスイングしよう。
カラダを回さないで手だけで振ろうとするとスイング軌道が安定しない。

状況に応じてボールの位置を変えるだけでスイングは変えないのがベスト

結局のところ、多くのアマチュアゴルファーは動きが複雑なんですね。それに比べてプロたちは、「できるだけシンプルに振ろう」と考えています。スイングはシンプルなほどクラブヘッドの軌道やインパクトの打点の誤差を少なく抑えられて、イメージどおりのアプローチショットが打ちやすいのです。アドレスで両ワキを適度に締めて、左手首の角度が変わらないように注意し、お腹を左右に回転させるだけでOK。そのくらいシンプルに考えればミスが激減してピンに寄る回数が増えるはずです。

アプローチの打ち方には上げてコロがすピッチエンドラン、最初から低くコロがすランニングアプローチ、高く上げるロブ系のショットなどがありますが、それぞれの打ち方が大きく変わるわけではありません。今のウェッジはソールが滑りやすく、ヘッドの抜けがいいので、どんな打ち方にも対応しやすくなっています。上から鋭角に打ち込んだり、下からすくい上げたりしないで、できるだけ一つのスイングでいろいろな場面に対応できるようになりたいものですよね。

クラブはロフト角56〜58度のサンドウェッジでも、52度前後のアプローチウェッジでも構いません。ピンまで30ヤードとしてキャリーとランの比率を5対5か、6対4くらいのピッチエンドランの場合はボールをカラダのセンターの前にセットしましょう。キャリーとランの比率が2対8くらいのランニングアプローチならボールを右足カカト内側の前にセットします。そしてキャリーとランが8対2か、9対1のロブ系ショットの場合はボールを左カカト内側の前に置きます。ボールを高く上げたいときは左ツマ先を開いて軽くオープンスタンスに構えましょう。ヘッドが抜けやすい上に、アウトサイドインのカット軌道で打ちやすくてボールが勝手に上がってくれるからです。

ロフト角が52度のウェッジでもボールを右に置けば45度くらいまでロフトが立ってボールを低くコロがしやすくなります。逆に左に置くとロフト角が60度近くまで増えて打ち出し角が高くなるのです。低くコロがしたいのにボールを左に置いたり、高く上げたいのにボールを右に置いたりしてはいけません。インパクトの形をイメージしてアドレスを作ることが大切です。このようにスイングはできるだけ変えないで、状況に応じてボールの位置を変えるだけでアプローチがすごくシンプルになります。シンプル・イズ・ベスト。成功率が必ずアップします。ぜひ試してみてください。

できるだけシンプルに振るには構えたときの左手首の角度をキープしよう。
左手首と同様、右手首の角度も変わらないようにスイングすることが大切。
カラダの回転が使えない人はインパクトで手首をこねてしまいやすい。
今のウェッジは性能がアップ。ソールが滑りやすく、ヘッドの抜けがいい。
ソールを芝の上で滑らせるイメージで打つのがアプローチをシンプルにするコツだ。スタンスはスクエアでOK。
ピッチエンドランのアドレス。ボールの位置はカラダの中心線の前が基準となる。
ピンまで25ヤードのピッチエンドランのテークバック。お腹を右に回すだけのシンプルな動きだ。
お腹を戻してインパクト。腕とクラブをカラダの正面にキープすれば正確性がアップ。
お腹を左に回転してフォロースルー。体重が自然に左足に乗ってくる。
低くコロがしたいときはボールを右カカト内側の前にセット。ピンが近ければスタンスはもう少し狭めにするといい。
打ち出し角を高くして、キャリーを多めに出したければボールを左カカト内側の前に置く。左ツマ先は軽く開こう。

最後に動画でチェック!

シンプルなスイングなら再現性や反復性が高く、インパクトの精度がアップ。ピンに寄る回数も劇的に増える。

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ



大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」

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【シリーズ一覧】
●第1回:テークバックの始動で左前腕部を少し「外旋」させるのが真っすぐ飛ばすコツ
●第2回:バックスイングでは左ヒザをなるべく動かさないように「我慢」しよう
●第3回:手やグリップをカラダから遠ざける感覚でダウンスイングしよう
●第4回:今どきのアイアンは、スイング軌道の最下点でボールをとらえるのがいい
●第5回:タオルを使った練習法でスイング軌道とクラブの入射角を整えよう
●第6回:アプローチの打ち方はシンプルがベスト! 手先に頼った複雑なスイングはもうやめよう
●第7回:歩く動作のナチュラル感覚をアプローチスイングに応用する
●第8回:ボールの1個手前をめがけて、クラブを鈍角に入れるのが今風のバンカーショット
●第9回:カップを大きな円と仮定し、アプローチ感覚でストロークすればタッチが合いやすい
●第10回:タイガーのようにカップを狙い撃ちするつもりでストロークするのがコツ!
●第11回:フェースよりもソールを使うことを意識するとグッドショットの確率アップ