ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなる vol.3
子供の野球やサッカーのように、大人がやるゴルフも “遊び感覚”で覚えることが上達への近道だ。
奇才・ヨコシン(横田真一)のショートゲームにおける“遊びの流儀”を大公開!
横田真一
1972年生まれ。
ツアー2勝。専修大学卒業。順天大学医学部研究科の都内の修士号を取得。
自ら監修の都内の練習場『YOKOTA GOLF BASE』では、レッシュ4スタンス理論に基づくタイプ別レッスンを行っている。
ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなる|『刀で打つ』で遊んでみる
絨毯の上でボールの赤道をSWの刃でコツン!
─今回は、SWの刃の部分でボールを打つ遊びですね。
横田 はい。この遊びのポイントですが、クラブを通常よりちょっと短く握りましょう。
─どうして短く握るんですか。
横田 SWで打つ時は、ボールとの距離が遠くなるほどボールが左に飛びやすくなるので、短めに持ってボールの近くに立つんです。
そして、少しヘッドを浮かせ、クラブを若干吊るように構えます。
打ち方はパッティングとほぼ同じで、ボールの赤道辺りを刃でコツンと打ちます。
─これは、どこでやるんですか。
横田 これは室内で出来るSWの数少ない遊びです。
そこでまず、座布団や絨毯の上にボールを置いてやってみましょう。
赤道の少し上や下を叩いても転がってくれるので、気楽に遊んでみてください。
あと、ちょっと毛足の長い絨毯に沈んだボールを刃で打つ遊びをもいいですよね。
絨毯の上でバウンスを滑らせながらボールを打つ感じを覚えたら、今度は実際のラウンドでこれをやってみましょう。
グリーンとカラーの境目にボールがくっついた時に、次のアプローチで、この遊びで覚えたSWの刃で打つテクニックを使います。
パターだと手前のラフでダフッタリするけれど、先ほどの絨毯のようにSWのバウンスを滑らせていくことで、キッチリとボールにコンタクトすることが出来るので、しっかりボールが転がってくれますよ。
今回の遊びはウエッジの刃で赤道を打つ
遊びの準備はこれでOK!
刃で打つ時には、ボールの近くに立つようにしよう。
そのためにはクラブを短く持って吊るようにしてヘッドを浮かてセットアップすればOK。
打ち方はパッティングと同じだよ
バウンスを芝の上を滑らすテクをゲットしよう!
ボールの赤道をSWの刃で打つことを“遊び”で覚えれば、ラフとグリーンの境目に寄りかかったボールを打つ時なんかに使える。
ラフとグリーンの境目なんかで使えるぞ!
ラブを吊ってヘッドをやや浮かせ、バウンスをラフの芝の上を滑らせるように振ってみよう。
ヨコシン(横田真一)と遊んで分かったこと|薄芝ではボールに『近づく』
ゴルフにまつわる“遊び”にヨコシンがレッスンを加えることで小技を学んでしまおうというこの連載。
今回は、SWを使ったワザのバリエーションをゲット!
ヒールを浮かせてパターのように打てば、チャックリせずに打てるよ
横田 冬場のゴルフで難しいのは枯れ芝など薄くて悪いライからのアプローチですよね。
─チャックリとか、やりますよね。
横田 そんな状況では『、刃で打つ』遊びをちょっと応用することで、かなりミスを減らすことが出来るんですよ。
─へぇ~、どうやるんですか。
横田 『刃で打つ』アドレスから、さらにクラブを短く持ち、ボールの近くに立ち、クラブを吊るようにすることで、ヒール部分が少し浮くように構えます。それでウエッジのトゥの部分でフェースを被せて打つようにするんです。
打ち方はパッティングと同じなので、これだと誰もが簡単に打てます。
─何で、失敗が減るんですか。
横田 クラブを吊ってアップライトに構え、ヒールを浮かせることで、へッドがボールの下に入り込むのです。薄芝の地面との接地面が少ないのでチャックリが避けられ、確実にボールにヒットも出来るので、ミスが少なくなるわけです。
ポイントとしては、ボールの位置は右足のツマ先の前あたりにボールをセットしハンドファーストに構えます。あとはフォローでヘッドが浮き上がらないように打ってみてください。
─この打ち方はどのくらいの距離のアプローチで使えますか。
横田 まあ、10ヤードが限界ですよね。
『ボールに近付いて』ヒールを浮かせる
ヒールを浮かせると簡単に転がせるよ!
SWのトゥ側を地面に着け、ヒールを浮かせると、ボールの下半分にヘッドが入り込むので確実にボールに当てることが出来る。
前出の刃で打つアプローチでは、赤道近辺に刃の部分が一点で当たるので、やや確実性に欠ける。
ホラ!近くに立ってヒールを浮かすと真っすぐ飛ぶよ
棒が球が飛んでいく方向です。
ボールの近くに立ち、クラブを短く持ち、ヒールを浮かせた構えから打つと、タテ振りになり球は真っすぐ飛んでいく。
やっぱり! SWでボールから離れて打つと引っかかる
ボールから離れて構えると、スイングがヨコ振りになり、ロフト角度の多いSWでは球は左に飛び出しやすくなる。
打ち方は、やっぱりパッティングと同じ
刃で打つ“遊び”より、さらにボールに近付き、もっとクラブを短く持つ。
あとは同様にパッティングと同じ感じで打っていく。
ヨコシン(横田真一)コラム|ベアグランドからは「後ろに木がある感じで打ってみろ」とジャンボさんに言われました
ベアグランドからのアプローチで大事なことは、コンパクトで緩まないストロークをすることです。
こういった打ち方の名人ともいえるジャンボ尾崎さん以前、「どうやったらそういったアプローチが出来るんですか?」と訊いたことがあります。すると、「後ろに木があるイメージで打ってみろ」と言われました。
やってみると分かりますが、後ろに木があると思えば、バックスイングはコンパクトになります。しかも、もし木に当たってもクラブが弾かれないようにするので、スイングに緩みが出ずにアプローチをすることが出来ます。
まさに名人の言葉です。悪いライからの打ち方はコレです!
GOLF TODAY本誌 No.560 156~159ページより
【シリーズ一覧】
●vol.1:<拾う>で遊んでみる
●vol.2:<上げる>で遊んでみる
●vol.3:<刃で打つ>で遊んでみる
●vol.4:<林の中>で遊んでみる
●vol.5:<砂場>で遊んでみる
●vol.6:荒れた<砂場>で遊ぶ
●vol.7:<激スピン>で遊ぶ
●vol.8:<モノマネ>で遊ぶ
●vol.9:<クラブを替えて>遊ぶ
●vol.10:<傾けて>遊ぶ
●vol.11:ピンを<差して>遊ぶ
●vol.12:ピンを<トラックマン>で遊ぶ
●vol.13:<傾斜>で遊ぶ