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ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなる vol.11

2020/03/16 ゴルフサプリ編集部

子供が何でも遊びから覚えていくように、ゴルフも遊び感覚で覚えるのが上達への近道。奇才・ヨコシンのショートゲームの“遊びの流儀”を大公開!

横田真一

1972年生まれ。
ツアー2勝。専修大学卒業。順天堂大学医学部研究科で修士号を取得。自ら監修の都内の練習場『YOKOTA GOLF BASE』では、レッシュ4スタンス理論に基づくタイプ別レッスンを行っている。

ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなる|ピンを差して遊ぶ

抜くべきか、抜かないでおくべきか。 この問題を解決しよう!

デシャンボー抜かないと言っている

ツアーではデシャンボーのように、ピンを抜かずにパッティングをするプレーヤーは多い。しかし、それはあくまでピンが真っすぐに立っている場合であって、ピンが斜めになっている場合はどうなんだろう?というのがヨコシンの疑問。今回は、この疑問に対する答えを自ら検証して解明していく。

傾いたピンは抜いた方が良いんじゃない

──2019年は大きなルール変更がなされましたが、中でもパッティング時のピンを抜くか抜かないかは、かなり話題になりました。

横田 多くの人が検証をしていて、日頃からゴルフに対して物理的な見方をするデシャンボーも、早くからピンを差した方がカップインの確率は高いと言っていましたよね。

──でも、なぜ今頃この問題を取り上げるわけですか。

横田 これまで言われてきたのは普通にピンが真っすぐに立っているケースでのことで、僕が言いたいのは、ピンが傾いて立っていた場合はどうするかということなんです。カップ自体が斜めに切られているとか、あと、差し込む先端部分が削れているとか、原因はいろいろあるけれど、ピンが傾いていることって結構あるんです。で、その時に抜くか抜かないかということなんですが、どうですか。

──ピンが傾いてボールが入る間口が狭くなっている時は抜くでしょうね。でも逆に広くなっていたら抜かないと思います。

横田 ですよね。じゃあ本当にそうなのか、実験をしてみましょうか。

傾きピンでは間口こんなに違う!

ピンが傾いた側(左)のサイドの間口は狭くなるので、当然、ピンは抜いた方が良いと思うはず。問題は逆サイド(右)で、普通に考えれば抜かないと思うのだが。

この部分が削れる

ピンを抜いたり差したりしていると、根本の部分が削れてきて穴よりも細くなってくる。次第に根本と穴に隙間が生じてきて、ピンが傾くようになる。

隙間ができるピンは傾く

削れたピンの根本部分とカップの穴との間に隙間が出来ることでピンが傾く場合は、360度、どの方向にも傾く可能性があるので厄介だ。

ヨコシン(横田真一)と遊んで分かったこと|傾きピンは抜く

ゴルフにまつわる“遊び”にヨコシンがレッスンを加えることで小技が学べるこの連載。今回は、ピンを差すか抜くかを検証。

傾いたピンにボールがスルッと乗っかってカップから出ていった!

カップ右内側に向けGO!
スティンプメーターからコロがり出たボールは、カップの右内側を目指してコロがり始めた。


ラインに乗っている!
スティンプメーターのレーザーポインターが示したラインに乗っているので、このまま行くとカップイン間違いなし。

ピンにボールが乗っかった!
コロンとカップインするかと思ったボールが、なんと、斜めに傾いたピンをスル~っと駆け上っていく。


クルっと回り! カップの外に
斜めに傾いたピンに乗ったボールは、まるで発射台に乗ったように勢いを得てカップの外へ弾き出てしまった。

傾いたピンの場合は抜いた方が良いだろう!

──では、実験はどのようにやるんですか。

横田 スティンプメーターでボールをコロがします。今回は、照準を間口の狭いサイド、真ん中、間口の広い側の3つに合わせ、それぞれ同じ高さから繰り返しボールをコロがしてみます。

──結果はどうだったんですか。

横田 ど真ん中から入れた場合は、(適切なスピードでコロがしたボールは)ピンを差していても抜いていても入ります。次に、間口が狭いサイドの場合ですが、今回の場合は幅が4・2センチなんですね。

──これは、ゴルフボールの直径(規定では42 ・67ミリ以上)より少し少ないということですね。

横田 ですから、ジャストで手前からコロがり込む以外は、ピンに蹴られる確率が高くなります。これは予想通りだと思います。次に間口の広い場合ですが、これはピンがカップの奥側に向かって傾いている時が問題で、この場合はピンにボールが乗って、弾むようにして外れることが何度もありました。

──発射台に乗っかる感じですね。

横田 そうです。だから、ピンが斜めに傾いている場合は、僕はピンを抜いた方が良いという結論に達したんです。

スティンプメーターでコロがした

実験には、目標物に正確に照準が合わせられるレーザーポインター付きのスティンプメーターを使用した。

ボールがピンを駆け上る

ピンが無ければ確実に入るラインに乗っていたボールだが、強さによってボールがピンを駆け上がってしまい、入ったと思ったボールがクルッと飛び出してしまうケースが何度もあった。

どうもパッティングが苦手だという人は、一度、「ボールが鉛でできている」とイメージして打ってみてください。重い鉛のボールを打つとなると、重心をドッシリと低くして、ストロークを低く長く出していく打ち方をしようとしますよね。

パッティングの苦手な人は、ストロークの途中で体が起き上がるヘッドアップをしているケースが多いので、
このイメージで打つのは効果あると思います。

また、鉛のボールを打つとなると、インパクトでフェース面をスクェアに当て、重さに負けないようにしっかり打つことをしないといけません。そうやって打った重いボールは、しっかりした回転でグリーン面に吸い付くようにシトーッとコロがっていく感じが出るはずです。

こうして打ったボールは、ライン上を本当にシトーッとコロがりカップインする確率が高くなるのです。

GOLF TODAY本誌 No.572 124~127ページより


ヨコシン(横田真一)と小技は遊びながら上手くなる

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