遠心力を管理すればフルショットが安定する|ゴルフ新理論「グラビティメソッド」
カラダが喜ぶ、グラビティメソッド 第7回
人が本来備わっているバランスセンサーを生かし、スイング中の重心を整える「グラビティメソッド」。再現性を高め、飛距離も方向性もアップするゴルフ新理論を公開!
大本研太郎
(おおもと・けんたろう)
レッシュプロジェクト・マスター級トレーナー資格を所持し、データと理論に基づくレッスンに定評がある。新理論「グラビティメソッド」で、2018年PGAティーチングアワード最優秀賞。「GPC恵比寿」主宰。1974年生まれ。
フルスイングで生まれる大きな遠心力と戦う
ここまで、手先などの末端部の動きに頼らずに、体幹主導のスイングを身につけるため、パッティングからアプローチ、そしてフルショットへとつなげる方法をレッスンしました。パターなら体幹で振る感覚をつかみやすくなります。これに前回紹介した腕の「ネジり」(=右腕の回内)を加えて、フルショットを作っていきます。
フルショットが、パッティングやアプローチと大きく異なる点は、クラブに驚くほど大きな遠心力が発生することです。再現性を高めるためには、このクラブの遠心力と戦って、バランスを保つ必要があります。多くのゴルファーは練習の際、止まった状態で理想のカタチを作ろうとしますが、実際には遠心力の影響が大きく、スイングの動きの中でそのカタチを作ることは難しいのです。
フルショットは、小さい動きのアプローチとは異なり、カラダのターンに対して腕の振りが遅れる「時間差」が出来ます。これに腕の「ネジり」が加わって大きなエネルギーを出すことが出来るのです。
遠心力を管理すればフルショットが安定する
止めてカタチを作っても、スイング中には再現できない
プロの連続写真などを見て、止まった状態できれいなカタチを作ろうとするアマチュアは多い。しかし、スイング中はクラブが動くことによる大きな遠心力が発生するため、再現するのは難しい。
【止めた状態】
前回に紹介したフォローでの腕の「ネジり」。目線の高さになったとき、右手の甲が見えるようにする。練習ではこのカタチを作る。
【スイング時】
フルスイングすると、クラブの遠心力に引っ張られて、腕が伸びる。想像以上に大きな遠心力が発生するのだ。
クラブの遠心力へのカウンターと腕の「ネジり」を組み合わせて、フルスイングを作る
テークバック
テークバックでクラブが動く方向の逆に、カラダの重心を動かす。2つの力が拮抗することでバランスが取れる。
トップ
「グラビティメソッド」にはトップはなく、テークバックからフィニッシュまで連続した動きになる。
ダウンスイング
切り返しではカラダの重心が回るように方向転換して、フォロー時のクラブの遠心力に備える。右から左の体重移動はなく、その場で回っているように見える。
フォロー
クラブの遠心力とカラダの重心の力が拮抗してバランスが取れたフォローになる。腕は振るのではなく「ネジる」。
歩く動作のように腕を振る方向と逆足に荷重する
歩きながら腕を振ってみると、スイング中のバランスが理解できる。腕は右、足は左に荷重することでバランスを保った歩行になる。スイングも同様で、腕の動きと逆に荷重する(=カウンター)ことで、スイングが安定するのだ。
《悪い例》
手と足が同じ方向に動いてしまうと、スムーズな動きができなくなり、バランスが悪くなる。
GOLF TODAY本誌 No.561 76〜77ページより
【シリーズ一覧】カラダが喜ぶ、グラビティメソッド ―Season1―
●第1回 人間にとって『自然な動きが、スイングを良くする』
●第2回 アドレスは50:50が正解!
●第3回 スイングのイメージは、パッティングから作る
●第4回 20ヤードのアプローチをフルスイングにつなげる
●第5回 回転運動のアプローチから時間差のあるフルスイングへ
●第6回 「振る」でも「返す」でもない腕は「ネジる」が正解
●第7回 遠心力を管理すれば、フルショットが安定する
●第8回 お尻を抜いたアドレスがパットの成功率を高める
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