お尻を抜いたアドレスがパットの成功率を高める|ゴルフ新理論「グラビティメソッド」
カラダが喜ぶ、グラビティメソッド 第8回
人が本来備わっているバランスセンサーを生かし、スイング中の重心を整える「グラビティメソッド」。再現性を高め、飛距離も方向性もアップするゴルフ新理論を公開!
大本研太郎
(おおもと・けんたろう)
レッシュプロジェクト・マスター級トレーナー資格を所持し、データと理論に基づくレッスンに定評がある。新理論「グラビティメソッド」で、2018年PGAティーチングアワード最優秀賞。「GPC恵比寿」主宰。1974年生まれ。
腰を反ったアドレスは手打ちになりやすい
今回からパッティングについて説明します。最初はバランスの良いアドレスについてです。「またアドレスの話?」と思われるかもしれませんが、ここがすべてのショットの基本であり、実はミスショットの大半は、アドレスが悪いことから生まれています。構えた時点で、ミスを誘発する状態になっている人はとても多いのです。
アドレスの基本はショットと同じ前後左右50:50の「土踏まず重心」です。パッティングではドライバーよりも10度以上前傾が深くなるため、首が垂れやすくなります。その分、お尻を後方に「抜いて」、バランスをとります。このとき、腰に張りが生まれないようにすることがポイントです。腰を反るように構えてしまうと、胸郭の動きが妨げられてしまい腕が主体のストロークになります。これはショットでも同様で、手打ちになるだけでなく、腰も痛めやすいので注意してください。
グリップは右手が下になるので、右肩が下がらないようにグリップ位置を左太ももの前にします。クロスハンドグリップも両肩の高さを揃えるのに有効です。
お尻を抜いたアドレスが パットの成功率を高める
頭の重さを土踏まずで感じる
バランスの良いアドレスは、前後左右が「50:50」で土踏まずに重心がある。首が垂れないように、お尻を後方に「抜いて」、頭の重さとバランスをとる。
歩くようにアドレスに入り、お尻を「抜いて」構える
歩くように自然な動きで、右手右足の順にアドレスする。右手と右足が同時に前に出るような不自然な入り方だと、筋肉に緊張が生まれる。
お尻を「抜く」とは、聞き慣れない表現だが、お尻を後ろに移動しながら、腰の裏に張りがない状態を作ること。これによって、頭が前に出ている分だけ、前後のバランスをとる。
頭が垂れるのを避けて、腰を反るのも悪いアドレス。胸郭が動きにくくなってしまうので、手主導でストロークせざるを得なくなる。また、腰を反ったアドレスは、ショットでは腰を痛めやすい。
パッティングでは、ドライバーに比べて10度以上前傾が深くなるため、首が垂れやすい。重心がつま先寄りになって、ひじが引けやすいのでストロークも不安定になる。
グリップ位置は左内ももの前が正解
左太もも前が正しいグリップ位置
右手を下にするグリップの場合、右肩の高さが下がってしまいがち。グリップ位置を左太ももの前に置くことで、両肩の高さをキープできる。
真ん中でグリップすると体が右に傾く
右手が下の状態で、グリップ位置が真ん中になると、上体は右に傾くため、方向性は大幅に悪くなる。
高さが揃いやすいクロスハンド
グリップ位置を変えたくない人は、クロスハンドグリップがオススメだ。両肩の高さが揃いやすくなる。
GOLF TODAY本誌 No.562 76〜77ページより
【シリーズ一覧】カラダが喜ぶ、グラビティメソッド ―Season1―
●第1回 人間にとって『自然な動きが、スイングを良くする』
●第2回 アドレスは50:50が正解!
●第3回 スイングのイメージは、パッティングから作る
●第4回 20ヤードのアプローチをフルスイングにつなげる
●第5回 回転運動のアプローチから時間差のあるフルスイングへ
●第6回 「振る」でも「返す」でもない腕は「ネジる」が正解
●第7回 遠心力を管理すれば、フルショットが安定する
●第8回 お尻を抜いたアドレスがパットの成功率を高める
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