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自分と向き合ってシーズン初優勝を手にした稲見萌寧

リシャール・ミル ヨネックスレディスで優勝!

2022/06/06 ゴルフサプリ編集部 小川淳子

稲見萌寧

写真は2022年ダイキンオーキッドレディス時のもの(写真/相田克己)

稲見萌寧がシーズン初優勝を飾った。
リシャール・ミル・ヨネックス・レディス。シーズン14試合目でのことだった。

思ったより早く勝てて良かったという思いと、1勝目を挙げてホッとしているという思い

14戦5勝と破竹の勢いだった昨年の今頃を考えると「やっと」という印象は否めない。だが、稲見自身は「今年初優勝を思ったより早くできてよかった」と口にしている。一方で「去年たくさん活躍できたからこそ、今年頑張らなきゃいけないという思いもあったので、1勝目を挙げて一番ホッとしています」と、複雑な気持ちも吐露した。

優勝争いを繰り返し、賞金女王にまでなることは、選手にとってうれしい一方で心身の負担は想像以上に大きい。常に人目にさらされ、期待を集め、それに応える。その過程で無理をしなくてはいけないことが多いからだ。

プロの仕事は、試合で結果を出すことだけではない。ファンサービス、その延長線上にある取材への対応、スポンサーとの仕事…。活躍すればするほど、忙しくなる。プロの中でも練習量が多いことで知られる稲見は、極力、それを減らさない方向だったようだが、それでも、時間には限りがある。

連戦の負担は故障にもつながりやすい。稲見も腰を痛め、シーズン終盤は苦しみ、オフにはその対策に余念がなかった。だが、それがうまくいかなかったことを、今季が開幕してから実感する。「反り腰を直そうとしてうまくかみ合わず、力が出せる感じじゃなくなってしまった」と言う。日常生活から腰を丸めるように意識していたため、アドレスしてもどこに自分の重心がわからなくなってしまうところまで行ったと、優勝後に語っている。

5月の第10戦、サロンパスワールドレディスから力を出せるポジションを探し始めて、ようやく落ち着く。3位タイ、3位タイ、2位、21位と来ての優勝と、結果に結びついた。

故障も、調整の失敗も、プロなら多くが経験することだ。だが、そこから戻ってくることができるかどうかは、本人の意識にかかってくる。良かった時のものを求めるのは技術的には自然だが、結果をいいときのそれと比べるとどんどん苦しくなる。泥沼への入り口と言っても過言ではない。特に、現在の女子ツアーのように入れ替わりが激しい状況では、周囲の活躍を刺激にするのはいいが、自分と比較すると追い詰められる。

稲見は、周囲の期待をよそに、オフシーズンから自分とじっくり向き合ってきたように見える。賞金女王として臨んだオフの取材でも「まず1勝すること」と、次のシーズンについて口にしていた。前年8勝(シーズンとしては2021‐2022なので9勝)した選手としては物足りないくらい謙虚な姿勢だが、いい状態が続くとは限らないことを誰よりもわかっていたのだろう。

周囲の期待と言う目に見えないものに踊らされることなく、足元を見つめていたことがよくわかる。

望むほどの練習時間が取れなかったのは、賞金女王としての多忙さと、故障から。その中で必死に調整し、シーズン14戦目で優勝につなげたからこそ「思ったより早く」と言う正直な気持ちを口にしたに違いない。

ロレックスランキングで全米女子オープン出場権もあったが、これを回避し、日本に残った結果、手にしたシーズン初優勝。メジャー出場の機会を逃したのはもったいないが、海外志向が元々あまりない稲見にとっては、自然な選択だったのかもしれない。

見ている側は、2勝目は今季絶好調の西郷真央や、前週優勝して、全米女子オープンで20位となった小祝さくららとの直接対決で、と考えがちだが、あくまでも”相手“ではなく、自分と向き合い続けるのが稲見萌寧なのだろう。

何人、相手がいようとも、コースと自然、そして自分と戦うのがゴルフ。そういう意味では、稲見の強さを改めてみた気がするシーズン初優勝。すでに3分の1が終わった今季の日本ツアーだが、この先、どんな大混戦が繰り広げられるのか。稲見復活はそれほどの意味を持っている。

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