あなたのミスショット、原因はギアorテクどっち!? 第六回|アイアンのシャフト選び
フィッターおぐさんがあなたの悩みをイッキに解決!
[技術的Q]アイアンのミート率を向上させたい [フィッティングQ]アイアンを技術的リシャフトしたい
ミスショットは技術的なものとクラブが原因なものの2種類がある。一般的なミスをギアの観点からクラブフィッターとトップアマ編集者が考察する。そのミスは本当にアナタのせい?
オグさん
元ゴルフ雑誌編集者のクラブフィッター&クラフトマン。過去の経験で得た知識を武器にライター業も行っている。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68
あいり
学生時代からゴルフをはじめ、シングルプレーヤーの編集者。最近は取材が多く練習量が確保できないのが悩み。ドライバー飛距離は230ヤードで持ち球はドロー。ベストスコア68
ピッタリのアイアンシャフトを探したいなら素材にこだわるな!
スチール = 重いはもう当てはまらない
あいり おぐさん! 私もともとアイアンが苦手でいざっていう時にミスをしてしまうことが多かったんですけど、ヘッドは気に入っているので思い切ってリシャフトしてみようと思うんです。
オグさん 良いじゃない。今はどんなシャフトを使っているんだっけ?
あいり 軽量のカーボンシャフトを使っています。
オグさん スチールシャフトも候補に入れて選んでる?
あいり スチールシャフトってなんか重くて飛ばない印象があるんですけど……。
オグさん 確かに昔は重いシャフトがスチール、軽いシャフトがカーボンという区分けになっていたけど、今では全く当てはまらないんだよ。ある程度振れる人なら女性だってスチールで飛んで曲がらなくなるってことも十分あり得るんだよ。
あいり そもそも、素材によってシャフトは何が変わるんですか?
オグさん それぞれに良さがあって、スチールは素材の特性を生かした、しなやかなしなりを作ったり、ねじれにくいシャフトを作りやすい。現在は、軽量化する技術も進んで、かなり軽いスチールも市販されているんだ。一方カーボンは、設計自由度が高いので、重量帯の幅の広さはもちろん、しなやかな特性から剛性の高い特性など幅広い性能のシャフトが作れるよ。
あいり じゃあカーボンの方がすぐれているってことですか?
オグさん カーボンでないとできないこともあるけれど、スチールの方がすぐれているシャフトだってあるから、素材によって甲乙つけるのはあまり意味がないね。例えば、50g以下の重量帯のアイアン用シャフトは現在のラインナップではカーボンシャフト一択だけど、60g以上のシャフトだったらどちらもラインナップはあるし、軽量のシャフトは強度を保つためにしなやかな動きを作るのが難しいんだけど、そういったシャフトは素材的にスチールの方が作りやすいんだ。その分カーボンの方が値段はちょっと高いしね。
あいり そう言われれば、何となくカーボンのほうが高性能って思いこんでいる部分はありますね。
オグさん アイアンに限ったことではないけどグリーンを狙うクラブで大切なのは最大飛距離よりも、タイミングの取りやすさと安定した飛距離だから、先入観で自ら選択肢を狭めない方が良いよ。
あいり なるほど! 早速同じ重量帯のスチールとカーボンが装着されたアイアンを打ち比べて、自分に合うものを探してきます!
パワーに関係なく、シャフトの挙動には好みが存在する。自身に合った重さのシャフトを選ぶことはとても重要だが、そこにシャフトの個性をも加味すると、さらに振りやすくミートしやすいクラブに仕上げることができる。
GOLF TODAY本誌 No.573 102ページより
【シリーズ一覧】
第一回:パターグリップ
第二回:鉛の正しい使い方
第三回:フェアウェイウッドの選び方
第四回:カウンター バランス
第五回:ウェッジの形状①
第六回:アイアンのシャフト選び
第七回:鉛でテンプラを直す
第八回:有効的なショートウッドの使い方
第八回:有効的なショートウッドの使い方
第九回:ウェッジのザックリ解決法
第十回:グリップとストロークの関係
第十一回:短いクラブほど重くする必要がある
第十二回:グリップ交換は慎重に
第十三回:様々なUTの形
第十四回:UTとアイアンの境界線
第十五回:ヘッドの形と性能のつながり
最終回:クラブの選び方の重要性