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歩き方のきれいな美尻ゴルファーは、ゴルフが絶対上手くなる!

ゴルフで美BODY|ゴルフピラティス/第5回 体幹を鍛える~お尻編

2020/09/25 ゴルフサプリ編集部

スムーズでバランスいい効率的なスイングを手に入れるには、そのベースとなる身体作りや身体のメンテナンスが重要。そこで、おすすめしたいのが、ゴルフピラティスだ。
ゴルファーのために考案されたゴルフピラティスは、美的スイングの要となる身体作りに効果があることはもちろん、美しい姿勢作りやシェイプアップ効果、ケガの予防にもつながる。

今回は、前回に続いて体幹に注目。お尻の筋肉を強化するエクササイズを紹介する。

PROFILE
竹内弓美子(たけうち・ゆみこ)
京都府出身。キャナリープランニング合同会社代表。日本女子プロゴルフ協会会員(ティーチングプロ資格A級)。アメリカLPGA T&CP クラスAメンバー。日本ピラティス指導者協会(JAPICA)ゴルフピラティス専門コース開発者。ネバダ州立大学公認ピラティス指導者。日本予防医学会会員。これまでに、のべ6万人以上のゴルファー指導に携わる。著書に、『もっと飛ばせる!ゴルフの体幹トレーニング~ゴルフピラティスでブレない軸をつくる』(スキージャーナル社)がある。ゴルフピラティスを活用した著書や講習等によってゴルフビジネスの地位を確立させ、2019年LPGAアワード「ゴルフビジネス賞」を受賞。
★現在、WEBレッスンの準備中(現在、スタジオは閉鎖中)。キャナリープランニング(https://www.canaryplan.co.jp/)のホームページでお知らせします。

お尻の筋肉を正しく使えるようにするには、エクササイズはもちろん、歩くことも効果絶大!

最近は、フェアウェイまで乗用カートを乗り入れてプレーできるコースがたくさんあります。これはこれで楽しいのですが、ゴルフは本来、「歩くスポーツ」だということを忘れてはいけません。

機会があったら、全ホールを徒歩でラウンドしてみてください。ちょっとした傾斜、フェアウェイのうねり、足元で咲いている花の美しさ、景色の見え方の変化など、カートの上では気が付かなかったさまざまな発見に出合うことができます。設計者の意図も、よりリアルに感じられるのではないでしょうか。
何より、全長6000~7000ヤードですから、かなりいい運動になります。まさに、「歩くスポーツ」なのです。止まっているボールを打つだけではありません。

プロゴルファーはトーナメントで、ボールのすぐ近くまで乗用カートで移動しているでしょうか? 違いますよね。
何か考えたり、キャディと話したりしながら18ホールを歩いています。背筋と脚がちゃんと伸びた格好のいい歩き方で颯爽と、です。
なぜ格好よく見えるかというと、背筋がピンと伸びているだけでなく、お尻を使って歩いているから。お尻の筋肉がちゃんと使えていると見た目も美しく、効率よく歩くことができます。

お尻には、さまざまな筋肉があります。最も大きいのが、表層にある「大臀筋(だいでんきん)」。大殿筋の奥にあるのが、「中臀筋(ちゅうでんきん)」と「小臀筋(しょうでんきん)」。さらに、股関節の動きをコントロールする「梨状筋(りじょうきん)」などがあります。
大殿筋は身体の中で2番目に大きい筋肉で(1番は太ももの前にある大腿四頭筋)、大きな力を生み出すことができます。

皆さんご存じの通り、スイングにおいてお尻の筋肉は非常に重要です。本連載第2回目で、お尻まわりの柔軟性をチェックする方法を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

お尻の筋肉が硬くなって正しく使えない人は、アドレスできれいな前傾姿勢を取ることができません、股関節の動きも悪くなるため、スムーズなボディターンや体重移動も困難になります。飛ばしのパワーも出ません。
効率のいい歩き方ができないので疲れやすく、腰痛にもつながります。歩く姿が残念なばかりか、お尻が垂れて立ち姿まで美しくなくなってしまうのです。

お尻の筋肉が正しく使えるようになると、これらとは逆のことが起こるといっていいでしょう。スイングが改善され、飛距離が伸び、歩き方がきれいで効率のよいものに変わるのです。ヒップアップにもつながります。

そこで今回は、お尻の筋肉を鍛えるための2つのエクササイズを紹介します。特に、長時間のデスクワークなどでお尻の筋肉が硬くなっている人は、ぜひ継続して行ってください。お尻を使う感覚を、頭と身体に覚え込ませるのです。

これらのエクササイズに加え、コースでもできるだけ歩くようにしましょう。

歩くことでお尻など下半身が鍛えられるばかりか、スイングのリズムやプレーのリズムをつくることにも有効です。
歩き方が上手になると、ゴルフはどんどん上手になります。つまり、歩き方が悪い人は、ゴルフが上達しないのです。猫背でちょこちょこと歩いているプロは、いませんよね。

後半のスタミナ切れに備えてもっと身体を鍛えなくてはとか、バナナなどでエネルギー補給をしようとか、18ホールを総合的に考える力も養っていけるでしょう。

コースはゴミゴミした街中と違い、豊かな自然に囲まれていて開放感があります。コンクリートではなく、芝の上を踏む感覚も心地いい。
まさに、いいこと尽くしなのです。

お尻とお腹の力を抜かず、足裏全体で踏ん張る。これは、スイングでも同じ!

■【ヒップリフト】
1. ヒザを曲げて仰向けになる。足は坐骨幅に開き、ヒザを曲げる。
2. 両腕は脇が少し開く程度に開き、手のひらを床に向ける。
3. まず、背骨がC字を描く体勢「Cカーブ」をつくる(連載第4回参照)。ピラティスの呼吸法で、4秒間かけて鼻から息を吸う。
4. 8秒間かけて口から息を吐きながらおへそを背骨のほうに押し込み、背中を床に押し付ける。尾てい骨が床から少し上がり、腰と床の間のすき間がなくなったら、「Cカーブ」の完成。
5. その状態のまま息を吸う。
6. 息を吐きながら、足裏全体で地面を押して、尾骨からひとつずつ動かすような意識で腰を持ち上げる。
7. 息を吸いながら、お尻を床スレスレのところまでゆっくりと下げる。床には下ろさない。
8. 6~7を10回繰り返す。

★POINT
・肩からヒザまでが一直線になり、ヒザの真下にカカトがくるようにする
・「Cカーブ」が崩れないよう、お尻やお腹の筋肉をしっかり使うこと

「Cカーブ」を保ったまま足裏の拇指球、小指の付け根、カカトの3点で床をしっかり押して腰を持ち上げる。

お尻とお腹の力抜けて、足や肩だけで体を支えているNG例。アゴが上がり、腰も反りすぎ。

ヒザが開いたり、閉じたりしないよう注意。体重を小指側などに偏ってかけるのも×。これは、スイングの時も同じ。

脚の重みや動きにも耐えられる、強くて安定した体幹をつくる

■【ヒップリフト アドバンス】
1.【ヒップリフト】の1~6まで同様に行う。
2.その状態のまま、息を吸いながら片方の脚を上げ、ヒザを曲げて胸に近づけたら3秒間キープ。
3.息を吐きながら、脚を元の位置に戻す。これを5回繰り返したら、お尻を床に下ろす。
4.反対の脚でも同様に5回繰り返す。

★POINT
・腰がグラグラしないよう注意
・左右差がある場合は、それも意識しながら行うこと。自分の欠点を知ることも重要!

脚を上げ下げしている時は、腰がぐらつかないよう注意。身体をしっかり安定させながら、脚だけ動いている状態が理想。

脚を上げ下げする際、お尻が落ちたり上体をひねったりしないように。

【おさらい】 ゴルフピラティスって何?

健康的にゴルフを楽しむための体幹トレーニングで、効率的なスイングをマスター!

ゴルフピラティスとは、ネバダ州立大学のドリー・ケラベス教授と、私(竹内)が共同で開発したプログラムです。ゴルフピラティスのすべてのエクササイズはゴルフにつながっており、スイングを効率的に行うための身体作りを目的としています。

ゴルフピラティスの主な効果

体幹が鍛えられる

ゴルフピラティスは正しい姿勢や呼吸法をキープすることで身体のコアの筋肉に働きかけ、柔軟性が高く、ケガのリスクの少ない身体を作ります。

スイングを再現性の高い、シンプルなものに変える=安定感が増す

ゴルフピラティスを行うことで身体が正しく使えるようになると、余計に複雑になっていたスイングがシンプルで効率のいい動きになります。動きがシンプルであれば再現性が高くなり、スイングは安定します。これが、“効率のよい美しいスイング”です。

ケガを予防する=長くゴルフを楽しむことができる

ゴルフピラティスで骨格を本来あるべきポジションに戻し、正しい身体の使い方を習得しましょう。ケガのリスクが減り、長くゴルフが楽しめる身体になります。

現代社会のぬるま湯につかり、怠けているお尻の筋肉に喝を!

長時間の座りっぱなし、階段ではなくエスカレーター、徒歩ではなく乗用カート……というように、現代社会にはお尻の筋肉を怠けさせる敵がウヨウヨしています。
だからこそ、積極的にお尻の筋肉を働かせることが必要です。
寝る前や朝起きた時などにこれらのエクササイズを行い、お尻の筋肉をパチっと目覚めさせましょう。
ゴルフを「カートで移動してボールを打つスポーツ」から「歩くスポーツ」に戻していくことも、ぜひ心がけてほしいものです。

MODEL PROFILE
宮谷優理(みやたに・ゆり)
京都府出身。職業は歯科医師。速水歯科医院(滋賀県)副院長。「竹内先生にご指導いただき、ゴルフ歴は半年ほど。まさに面白くなってきたところです」

取材・文/相田英子
写真/作田祥一
撮影協力/ロイ・マーケティングデザイン

【シリーズ一覧】
●第1回:ゴルフピラティスとは
●第2回:身体の状態をセルフチェック
●第3回:正しい姿勢と呼吸法を身に付けよう
●第4回:スイングが不安定、手打ち、腰痛、ぽっこりお腹……その原因は腹筋の弱さにあり!
●第5回:歩き方のきれいな美尻ゴルファーは、ゴルフが絶対上手くなる!
●第6回:ウエストにくびれをつくりながら、飛距離アップを目指す!
●第7回:身体を対角線に使う動きをマスターすると、スイングがスムーズ&パワフルに!
●第8回:足首や足裏にアプローチする地味系エクサイズこそ、スイングを安定させる必勝テク!
●第9回:股関節まわりの筋肉を伸ばすと、飛距離もゴルフ寿命もぐーんと伸びる!
●第10回:骨盤の動かし方を覚えて、歩いている時のような自然な体重移動を身につける!
●第11回:キュッと引き締まった太ももがスエーを防止! 安定したスイングで飛距離を伸ばす‼
●第12回:胸を開くと気持ちも上向きに! 上半身と下半身の捻転をスムーズにして、大きく飛ばす‼
●第13回:“ながら”でも効果絶大! スムーズなスイングをマスターするための股関節のエクササイズ