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ゴルフピラティスの基本中の基本! 正しい姿勢と呼吸法を身に付けよう

ゴルフで美BODY|ゴルフピラティス/第3回 姿勢と呼吸

2020/09/12 ゴルフサプリ編集部

スムーズでバランスいい効率的なスイングを手に入れるには、そのベースとなる身体作りや身体のメンテナンスが重要。そこで、おすすめしたいのが、ゴルフピラティスだ。
ゴルファーのために考案されたゴルフピラティスは、美的スイングの要となる身体作りに効果があることはもちろん、美しい姿勢作りやシェイプアップ効果、ケガの予防にもつながる。

今回は、ゴルフピラティスの要となる正しい姿勢のつくり方と、呼吸法について紹介する。

PROFILE
竹内弓美子(たけうち・ゆみこ)
京都府出身。キャナリープランニング合同会社代表。日本女子プロゴルフ協会会員(ティーチングプロ資格A級)。アメリカLPGA T&CP クラスAメンバー。日本ピラティス指導者協会(JAPICA)ゴルフピラティス専門コース開発者。ネバダ州立大学公認ピラティス指導者。日本予防医学会会員。これまでに、のべ6万人以上のゴルファー指導に携わる。著書に、『もっと飛ばせる!ゴルフの体幹トレーニング~ゴルフピラティスでブレない軸をつくる』(スキージャーナル社)がある。ゴルフピラティスを活用した著書や講習等によってゴルフビジネスの地位を確立させ、2019年LPGAアワード「ゴルフビジネス賞」を受賞。
★現在、WEBレッスンの準備中(現在、スタジオは閉鎖中)。キャナリープランニング(https://www.canaryplan.co.jp/)のホームページでお知らせします。

楽な姿勢=正しい姿勢に非ず! スイング中、息が止まっていませんか?

アドレス時、自分では正しい前傾姿勢を取っているつもりでも、傍から見ると猫背だったり腰を反りすぎたりしている人は少なくありません。猫背だと身体の可動域が狭くなり大きなパワーが出ないなど、さまざまなデメリットが生じます。特に女性に多いのが、「反り腰」です。反り腰に関しては、本連載第2回でセルフチェックの方法を紹介していますので、ぜひご覧ください。「こんなに腰が反っていたなんて、知らなかった!」と、驚く人もいるかもしれませんが、このままスイングを続けていると腰痛の原因にもなるので、十分な注意が必要です。

スイング中、無呼吸になっている人も多いようです。息を止めると身体の動きも止まり、エネルギーは十分に発揮できません。しっかりと息を吐くことが大切です。

ピラティスでは、呼吸法を重視しています。肋骨が広がるほど肺いっぱいに空気を吸い込んで、ゆっくり息を吐く……そんな深い深呼吸をしたのはいつですか? 24時間365日、当たり前のようにしている呼吸にも、しっかり目を向けましょう。

正しい姿勢には、正しい骨の並びが大切。横から見た時、耳~肩~大転子~ヒザの後ろ~くるぶしを一直線に!

「いつも通りに立ってみてください」というと、どちらかの肩が上がってる、内股、ガニ股、上体が過剰に前傾している、胸を張りすぎるなど、人によってさまざまな症状やクセが表れます。

これは、積み重ねた積み木の一部が前や横に飛び出している状態。自立はしているけれどグラグラしていたり、ちょっとした衝撃ですぐに崩れたりしてしまいます。

積み木を真っすぐ、きちんと積み上げれば安定し、ちょっとふれただけでは倒れません。見た目もスッとして美しい。そう、人間の身体も同じです。ぜひ、正しい姿勢を手に入れましょう。

正しい姿勢とは、自分が楽だと感じる姿勢ではありません。横から見た時に、耳~肩~大転子(だいてんし/大腿骨の上外方にある突起。股関節の横あたりにある、少し出っ張った部分)~ヒザの後ろ~くるぶしが一直線になるのが理想です。つま先~足首~ヒザ~股関節は真っすぐ正面を向くようにしてください。

「ヒザを外側に回旋させないと、正しい姿勢にならない」「左右の肩の高さを揃えなくてはいけない」といった違和感があるかもしれませんが、それは正しい姿勢をつくるための第一歩。その違和感がなくなるように、正しい姿勢を身体と頭に覚え込ませましょう。

ここで大切なのは、頭は天井から引っ張られているイメージ、足は地面を強く押すイメージを持つこと。ピラティスでは、上下や左右に互いが引っ張り合うエネルギーを意識することが大変重要です。

単に立っているように見えますが、上方向と下方向、互いに拮抗する力を働かせることで体幹はしっかり安定し、まさに「幹」のように強靭になります。アドレスの際も、この拮抗する力をぜひ意識してください。

【正しい姿勢のつくり方】

1. 両足を肩幅に開き、つま先を正面に向ける。
2. 体重を足裏の「拇指球」「小指の付け根」「カカト」の3点で支える。
3. お腹に力を入れ、へこませる。
4. 骨盤底筋(骨盤の底にあり、坐骨や仙骨、尾骨をつないでいるインナーマッスル)に力を入れ、おへそのほうに引き上げるイメージで骨盤を立てる。
5. 胸を軽く張り、肩は力を抜いてリラックス。
6. アゴを引き、首は長く伸ばす、
7. 頭は背骨の延長線上にくるようにする。

★POINT
・足裏から頭にかけて、パーツごとに正しいポジションをつくっていくとよい
・第2回で紹介した「反り腰のチェック」を行うと、正しい姿勢が分かりやすい

耳~肩~大転子~ヒザの後ろ~くるぶしが一直線になるようにする。身体が上下に引っ張られているような力を意識すること。
  • 左右で肩の高さが違い、上体が傾いてねじれている。ヒザは内側に入り、つま先は外向き。鏡でチェックしながら、ひとつずつ直していこう。

  • 背骨のS時カーブのバランスが崩れ、過剰に前傾してしまっている。前回紹介した「反り腰のチェック」を行うと、正しい姿勢が分かりやすい。

体重は拇指球、小指の付け根、カカトの3点にバランスよくかける。

息を吸い込んだ時、肋骨の骨と骨の間が広がるような深い胸式呼吸を

次回、ラウンドに行ったら、スイング時に無意識のうちに息を止めていないか、チェックしてみてください。人は過度に緊張したり集中したりすると無呼吸、または呼吸が浅くなりがちですが、これでは十分なエネルギーが生まれません。

また、長時間のパソコン作業などで猫背の状態が続くと、肩が前に出て丸まり、肋骨の動きを妨げます。肺は横隔膜や肋骨の力を借りて膨らんだり縮んだりしていますが、十分に動かなくなるため、呼吸が浅くなってしまうのです。

ピラティスでは、呼吸と動きを同調させることを大切にしています。基本は、吸って準備、吐きながら腹横筋を締め、体幹を安定させて動きます。決して呼吸は止めません。これをよどみなく行うのです。そうすることで身体全体に酸素が行き渡り、エクササイズ効果が高まります。

「スイングの動きを考えると、それどころじゃない」という人もいるでしょうが、必ず呼吸とともに身体を動かすことを意識してください。リラックス効果も得られるので、メンタルのトレーニングにもなります。

呼吸には、お腹をふくらませる「腹式呼吸」と、お腹を締めて胸をふくらませる「胸式呼吸」がありますが、ピラティスでは後者を用います。
ピラティスのエクササイズは、お腹を引き締め薄くした状態で胸式呼吸をしながら行うため、いわゆる「筋トレ」では鍛えにくいインナーマッスルに働きかけます。これが、ピラティスが体幹トレーニングにいいとされる理由です。

肋骨の1本1本を左右前後に大きく広げるような深い胸式呼吸は、身体に十分な酸素を送り込むだけでなく、横隔膜の上下動を柔軟にします。横隔膜が大きく伸縮することは、周囲の内蔵や筋肉の動きを活発にする効果も期待できます。肋骨の骨と骨の間が広げるので、骨格の矯正にもつながるなど、まさにいいこと尽くしです。

【ゴルフピラティスの呼吸法】

1. 上記で紹介した、正しい姿勢を取る。
2. 4秒間かけて、鼻から息を吸う。お腹は引っ込めたまま、胸骨が上がり、肋骨が背中、両サイドにも広がるように息を吸うこと。
3. 8秒間かけて口からゆっくり息を吐く。胸骨が下がって、肋骨は元の位置に戻る。へそは背骨に引き込まれ、お腹は薄くへこむ。

息を吸う時は鼻から。横隔膜が下がり、肺にたっぷり空気が送られると肋骨が広がり、胸も上がる。息を吐く時は口から。横隔膜が上がって肺の中の空気が押し出される。お腹には常に力を入れて引き締めておくこと。
はじめは肋骨に手を当て、その動きを確認するとよい。胸だけでなく、背中や左右も、360度膨らむイメージ。
常に正しい姿勢を維持すること。息を吸い込んだ時に腰を反らせすぎたり、息を吐く時に猫背になったりしてはダメ。
息を吸い込んだ時、胸と一緒に肩が上がりすぎないよう注意。

正しい姿勢と呼吸法を常に意識すること

姿勢に呼吸、ごくごく当たり前のような存在だからこそしっかりと目を向け、何か異常があれば早いうちに軌道修正する必要があります。重力に逆らい、きちんと立てているかが重要です。よいアドレス、効率のよいゴルフスイングを手に入れるためには、必須です。
姿勢と呼吸は基礎中の基礎ですが、基礎部分が崩れていたら先には進めません。仮に進んでも、土台はもろいままなのです。

MODEL PROFILE
宮谷優理(みやたに・ゆり)
京都府出身。職業は歯科医師。速水歯科医院(滋賀県)副院長。「竹内先生にご指導いただき、ゴルフ歴は半年ほど。まさに面白くなってきたところです」

取材・文/相田英子
写真/作田祥一
撮影協力/ロイ・マーケティングデザイン


ゴルフで美BODY

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【シリーズ一覧】
●第1回:ゴルフピラティスとは
●第2回:身体の状態をセルフチェック
●第3回:正しい姿勢と呼吸法を身に付けよう
●第4回:スイングが不安定、手打ち、腰痛、ぽっこりお腹……その原因は腹筋の弱さにあり!
●第5回:歩き方のきれいな美尻ゴルファーは、ゴルフが絶対上手くなる!
●第6回:ウエストにくびれをつくりながら、飛距離アップを目指す!
●第7回:身体を対角線に使う動きをマスターすると、スイングがスムーズ&パワフルに!
●第8回:足首や足裏にアプローチする地味系エクサイズこそ、スイングを安定させる必勝テク!
●第9回:股関節まわりの筋肉を伸ばすと、飛距離もゴルフ寿命もぐーんと伸びる!
●第10回:骨盤の動かし方を覚えて、歩いている時のような自然な体重移動を身につける!
●第11回:キュッと引き締まった太ももがスエーを防止! 安定したスイングで飛距離を伸ばす‼
●第12回:胸を開くと気持ちも上向きに! 上半身と下半身の捻転をスムーズにして、大きく飛ばす‼
●第13回:“ながら”でも効果絶大! スムーズなスイングをマスターするための股関節のエクササイズ