ウエストにくびれをつくりながら、飛距離アップを目指す!
ゴルフで美BODY|ゴルフピラティス/第6回 体幹を鍛える~わき腹脇編
スムーズでバランスいい効率的なスイングを手に入れるには、そのベースとなる身体作りや身体のメンテナンスが重要。そこで、おすすめしたいのが、ゴルフピラティスだ。
ゴルファーのために考案されたゴルフピラティスは、美的スイングの要となる身体作りに効果があることはもちろん、美しい姿勢作りやシェイプアップ効果、ケガの予防にもつながる。
今回は、飛距離にも美ボディに関わるわき腹の筋肉を取り上げる。
PROFILE
竹内弓美子(たけうち・ゆみこ)
京都府出身。キャナリープランニング合同会社代表。日本女子プロゴルフ協会会員(ティーチングプロ資格A級)。アメリカLPGA T&CP クラスAメンバー。日本ピラティス指導者協会(JAPICA)ゴルフピラティス専門コース開発者。ネバダ州立大学公認ピラティス指導者。日本予防医学会会員。これまでに、のべ6万人以上のゴルファー指導に携わる。著書に、『もっと飛ばせる!ゴルフの体幹トレーニング~ゴルフピラティスでブレない軸をつくる』(スキージャーナル社)がある。ゴルフピラティスを活用した著書や講習等によってゴルフビジネスの地位を確立させ、2019年LPGAアワード「ゴルフビジネス賞」を受賞。
★現在、WEBレッスンの準備中(現在、スタジオは閉鎖中)。キャナリープランニング(https://www.canaryplan.co.jp/)のホームページでお知らせします。
わき腹の筋肉は、意識して動かさないと硬くなりがち。 上体の捻転差が不十分になり、ウエストにぜい肉もつく!
体幹というと、お腹の前側の筋肉ばかりが注目されますが、忘れてはいけないのがわき腹の筋肉「腹斜筋」です。
腹斜筋は、いわゆる“シックスパック”と呼ばれる「腹直筋」、腹斜筋の内側にある「腹横筋」ともに腹筋を形成している筋肉です。
腹斜筋はさらに、「外腹斜筋」と「内腹斜筋」の2種類に分けられます。外腹斜筋はわき腹の一番外側、内腹斜筋は外腹斜筋の内側にあり、ともに上体の前屈、側屈(体を横に倒す動き)、回旋の動きを担っています。中でも、腹斜筋が大きく関わるのが側屈の動きです。
前屈、側屈、回旋――つまり、腹斜筋の働きはスイングにダイレクトに影響するといえるのです。
ところが、わき腹の筋肉(腹斜筋)は普段、あまり意識されることがなく、日常生活でも動かす機会がそれほどありません。特に、デスクワークなどでイスに座っている時間は、わき腹の筋肉が活躍するような動きがほとんどありません。「エクササイズをするぞ!」と思わない限り、側屈の動きもしないと思います。
そのため、この部分が弱く、硬くなっているゴルファーが多いのです。
するとどうなるかというと、バックスイングで上体をしっかり捻転することがでません。上半身と下半身の捻転差が不十分になるため、飛ばしのパワーが生まれずスコアもダウン。スイング中、上体も起き上がりやすくなります。 スイング自体が不安定になって、再現性も低くなるのです。
ウエストについた、ぽよぽよのぜい肉が気になっている、という女性も少なくないでしょう。そう、わき腹を鍛えることはゴルフに効果的なばかりか、すっきりとしたくびれをつくることにもつながるのです。
ぜひ、以下に紹介する2つのエクササイズを行ってください。
一度やってみると、「わき腹が伸びる感覚」が分かると思います。同時に、日頃わき腹の筋肉をいかに使っていなかったか、という点にも気づくはずです。
飛距離を伸ばすには、力だけではダメ。身体のしなやかさがあってこそ、そのパワーが発揮できるのです。
わき腹の筋肉を強くしなやかにして捻転差を大きく、動きをスムーズに!
■【サイドベンド その1】
1.足を肩幅に開き、クラブを両手で握って肩の後ろでかつぐ。
2.つむじを上、尾骨を下にして、背骨をスッと伸ばす。へそは背骨に引き込み、お腹を凹ませる。骨盤底筋も締めて引き上げ、お腹とお尻の筋肉で骨盤を立てる。
3.4秒間かけて鼻から息を吸う。
4.8秒間かけて口から息を吐きながら上体を横に倒し、そこで息を吸う。
5.息を吐きながら元の姿勢に戻る。
6.反対側も同様に行う。左右交互に10回ずつ繰り返す。
■【サイドベンド その2】
1.【サイドベンド その1】の3まで同様に行う。
2.8秒間かけてゆっくり口から息を吐きながら、腰を横に突き出すようにして上体を横に倒し、そこで息を吸う。
3.息を吐きながら元の姿勢に戻る。
4.反対側も同様に行う。左右交互に10回ずつ繰り返す。
★【その1・2】の共通POINT
・肩はリラックスさせ、常に耳から離すようにする
・お腹をずっとへこませたまま行うこと
・身体は真横に倒す
・左右差がある場合は、それも意識しながら行うこと。自分の欠点を知ることも重要!
【おさらい】 ゴルフピラティスって何?
健康的にゴルフを楽しむための体幹トレーニングで、効率的なスイングをマスター!
ゴルフピラティスとは、ネバダ州立大学のドリー・ケラベス教授と、私(竹内)が共同で開発したプログラムです。ゴルフピラティスのすべてのエクササイズはゴルフにつながっており、スイングを効率的に行うための身体作りを目的としています。
ゴルフピラティスの主な効果
体幹が鍛えられる
ゴルフピラティスは正しい姿勢や呼吸法をキープすることで身体のコアの筋肉に働きかけ、柔軟性が高く、ケガのリスクの少ない身体を作ります。
スイングを再現性の高い、シンプルなものに変える=安定感が増す
ゴルフピラティスを行うことで身体が正しく使えるようになると、余計に複雑になっていたスイングがシンプルで効率のいい動きになります。動きがシンプルであれば再現性が高くなり、スイングは安定します。これが、“効率のよい美しいスイング”です。
ケガを予防する=長くゴルフを楽しむことができる
ゴルフピラティスで骨格を本来あるべきポジションに戻し、正しい身体の使い方を習得しましょう。ケガのリスクが減り、長くゴルフが楽しめる身体になります。
ケガ予防のためにも、わき腹のエクサイズを習慣に
ゴルフのあと、わき腹に痛みが出たり、ひどい場合は肉離れを起こしたりする人がいます。スイングの捻転の動作は、まさに雑巾を絞るようにして上体をねじる動きですから、わき腹が引っ張られて負担がかかるのです。
それを防ぐためにも、今回紹介したエクササイズでわき腹の強度と柔軟性を高めてください。それが、身体に余計な負担がかからず、シンプルで再現性の高い「効率のいいスイング」につながります。
続けるうちに、「ウエストにくびれができた!」という、うれしいおまけも付いてきますよ。
MODEL PROFILE
宮谷優理(みやたに・ゆり)
京都府出身。職業は歯科医師。速水歯科医院(滋賀県)副院長。「竹内先生にご指導いただき、ゴルフ歴は半年ほど。まさに面白くなってきたところです」
取材・文/相田英子
写真/作田祥一
撮影協力/ロイ・マーケティングデザイン
【シリーズ一覧】
●第1回:ゴルフピラティスとは
●第2回:身体の状態をセルフチェック
●第3回:正しい姿勢と呼吸法を身に付けよう
●第4回:スイングが不安定、手打ち、腰痛、ぽっこりお腹……その原因は腹筋の弱さにあり!
●第5回:歩き方のきれいな美尻ゴルファーは、ゴルフが絶対上手くなる!
●第6回:ウエストにくびれをつくりながら、飛距離アップを目指す!
●第7回:身体を対角線に使う動きをマスターすると、スイングがスムーズ&パワフルに!
●第8回:足首や足裏にアプローチする地味系エクサイズこそ、スイングを安定させる必勝テク!
●第9回:股関節まわりの筋肉を伸ばすと、飛距離もゴルフ寿命もぐーんと伸びる!
●第10回:骨盤の動かし方を覚えて、歩いている時のような自然な体重移動を身につける!
●第11回:キュッと引き締まった太ももがスエーを防止! 安定したスイングで飛距離を伸ばす‼
●第12回:胸を開くと気持ちも上向きに! 上半身と下半身の捻転をスムーズにして、大きく飛ばす‼
●第13回:“ながら”でも効果絶大! スムーズなスイングをマスターするための股関節のエクササイズ