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復活のパワーフェード! 渡邉彩香のドライバースイングを写真で解説

ローテーションを抑えた基本的なフェードスイングへ

2020/07/22 ゴルフサプリ編集部

アマチュアゴルファーにとってツアープロのスイングは、見ているだけでも勉強になること間違いなし。

そこで、日本女子ツアーの実力者たちのドライバースイング写真を長岡良実プロによる細かな解説とともに、じっくりと堪能していただきたい。

すべてを真似ることはできないとは思うが、参考にすべきポイントは多々ある。継続的に見返すことで、良いスイングイメージが頭に刷り込まれていくことは間違いない。

今回は、日本女子プロゴルフツアー、2019-2020シーズン開幕戦となった「アース・モンダミンカップ」で5年ぶり、1702日ぶりの復活優勝を果たした渡邉彩香の“イチから見直した”という2020年版の渡邉彩香のスイングを解説する。

ショットの安定感が増す要素が増えた2020年版スイング

JLPGAツアー、2019-20シーズンの開幕戦となった「アース・モンダミンカップ」で5年ぶりの復活優勝を遂げた渡邉彩香選手。賞金女王の鈴木愛選手とのプレーオフは、相当タフな戦いだったと思います。

渡邉選手は、もともとドライバーが生命線の選手。ですが、そのドライバーショットが不安定になり、2018年からシード落ちを経験。厳しい時期を乗り越えての優勝は感動的でしたね。

さて、そんな渡邉選手のスイングの魅力は、長身を生かしたダイナミックなスイングアークから繰り出されるビッグドライブです。そして、ただ飛ぶだけではなくパワーフェードでフェアウェイをしっかり狙えるスイングと言えるでしょう。では、安定感を取り戻した渡邉選手のドライバースイングを見ていきましょう。

渡邉彩香のドライバースイング|アドレス

以前はボールポジションがもう少し内側でしたが、現在は左カカト線上にセットされています。グリップはリストターンを抑えつつも、フェースがスイング中に開かないようにフックグリップで握られています。フェードが持ち球なので上半身がほとんど右にチルトせず真っすぐに構え、両ツマ先の向きも真っすぐで左右にスエーしないように足の内側に力を入れて構えています。

渡邉彩香のドライバースイング|バックスイング①

以前はクラブヘッドをインサイドに引き気味でしたが、今は飛球線後方に真っすぐテークバックしています。強いフェードを打つためにクラブフェースは開かずにテークバックしています。

渡邉彩香のドライバースイング|バックスイング②

P2ポジションではアウトサイドに腕を上げていくため手元が高く見えますが、実際はフェードを打つ軌道に乗せるのに適したところに体のターンで上げていきます。ヒッカケやフックボールで悩んでいるアマチュアゴルファーの方は、渡邉選手のようなバックスイングを参考にするといいかもしれません。

渡邉彩香のドライバースイング|バックスイング③

胸の正面に手元をキープし、フェースを開かずシャフトを立てて上げていきます。バックスイングの勢いは、右足内側でしっかり受け止めています。アマチュアの方が参考にしてほしいポイントは、手先や腕に頼らず体のターンで胸の正面に手元をキープし、正面から見たときに左腕とクラブが90度の角度になるように上げていけると、クラブが寝ずにヘッドスピードが出せる形になります。

渡邉彩香のドライバースイング|トップ(切り返し)

以前、渡邉選手はバックスイングでクラブをインサイドに上げていたので肩が回りすぎて、オーバースイングでした。クラブをアウトサイドに上げることで肩が回りすぎず、オーバースイングが抑えられています。それでも他の選手に比べるとトップの手の位置が高く、大きなスイングアークでヘッドスピードを加速させる助走距離が長くなっています。フェースの向きは、スクエアよりは少し上を向いているので、ややシャットフェースでパワーフェードを打つために最適なフェース面をトップの段階で作っています。

渡邉彩香のドライバースイング|ダウンスイング①

フェード系のボールを打とうとすると、クラブを若干カット気味に、上から入れて腰の回転を早く切ろうとします。その際に上体や頭の位置が左へ流れて突っ込みやすいのですが、渡邉選手はしっかり頭を残し、強く踏み込みながらも右サイドでパワーを貯めています。

渡邉彩香のドライバースイング|ダウンスイング②

シャフトが地面と平行に差し掛かった時、フェース面は前傾角度と平行で、おおよそ腰が30度、胸が正面、頭がトップポジションから動いていない状態で、インパクト直前としては理想的な格好です。

渡邉彩香のドライバースイング|インパクト

トップ(切り返し)からダウンスイング① にかけて、踏み込んだ両足(ヒザ)をインパクトからフォローにかけて、一気に伸ばしていきます。そして、トップから肩が縦回転で回ることで、頭の突っ込みがなく、ビハインドザボールでインパクトできています。

渡邉彩香のドライバースイング|フォロー①

トップからインパクトにかけて左手の甲がほぼ正面を向いたまま、フェースローテーションを極力抑えて左に振り抜いています。そうすることで安定した曲がり幅のパワーフェードが打てるのだと思います。

渡邉彩香のドライバースイング|フォロー②

このあたりでようやく右手が左手を追い越す形になります。そして、左へ振り抜くために残していた頭も左足上に移動し始めます。

渡邉彩香のドライバースイング|フォロー③

この段階で、おへそはすでに目標に向き、腰はレベルに回転し、肩は縦に回転しているので右肩が左肩よりも低く、トップポジションとフォロー③を見比べてもらうとわかるように、フォローでも右腕がしっかり伸びて高い所へ振り抜かれています。

渡邉彩香のドライバースイング|フィニッシュ

フィニッシュは球筋により形が変わりますが、渡邉選手はきれいなフェード系スイングのフィニッシュがとれています。 おへそが目標より左を向くくらい腰をレベルに回し、クラブヘッド、右肩が目標を向くくらい回し切ります。

渡邉彩香(大東建託)
わたなべ・あやか
2012年のプロテストに合格。13年に初シードを獲得し、14年「アクサレディス in MIYAZAKI」でツアー初優勝。2015年は2勝を挙げて年間獲得賞金1億円を突破。2020年の国内女子プロゴルフツアー開幕戦「アース・モンダミンカップ」で5年ぶりとなる通算4勝目を挙げた。

解説:長岡良実。ながおか・よしみ。
1972年生まれ。茨城県出身。習志野CCの研修生となり林由郎に師事し1999年にプロテスト合格。動画で受講できる「長岡プロのゴルフの知識」では高い技術と理論をもとにわかりやすいレッスンを展開中。また、Youtubeチャンネル「長岡プロのゴルフレッスン」も好評。

撮影:/相田克己(2020年)

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