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町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.12
思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!
丘陵コースや山岳コースに行くと、ティショットの状況は打ち下ろしや打ち上げなど実に様々だ。変化に富んでいてそれなりに楽しめるが、風景に惑わされるとミスショットを招きやすいので注意が必要。「マネジメントも考えないといけませんが、メンタル面でも平静を保つことが重要です」と町島久晴プロはいう。
町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。
打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
打ち下ろしのティショットはティーイングエリアと同じ高さを見る
打ち下ろしのホールは「豪快なドライバーショットが楽しめる」というのが謳い文句になっていて、多くのゴルファーは「飛ばしたい」という心理が先に立ってしまいがちです。打ち下ろしの場合、平らなホールよりもボールの滞空時間が長くなるため、キャリーが伸びるのは確かです。しかしその分だけ風の影響を受けやすいですし、曲がり幅も大きくなりやすいということも頭に入れておかないといけません。
またティーイングエリアとフェアウェイの高低差が大きいほどアドレスの姿勢が変わりやすい点にも注意が必要です。下のほうに見えるフェアウェイに目線を注ぐと自分の気づかないうちに上体が左に傾き、左足体重の構えになりやすいのです。そのままスイングするとクラブヘッドが上から鋭角に入りやすくテンプラが生じやすくなります。フェースがかぶって当たり、左に引っかけてしまうケースもよくあります。
打ち下ろしのホールでもあまり目線を低くしないで、ティーイングエリアと同じ高さに目線を向けましょう。高低差が大きければ遠くに見える山とか雲などを見る感じとなりますが、どんなに打ち下ろしでも平坦なホールと同じ姿勢で構えるのがミス防止の一番の決め手です。飛ばそうとしてボールを叩きにいくとバックスピンがかかりすぎて、曲がり幅が大きくなりやすいですから避けましょう。
プロや上級者たちは打ち下ろしのティショットは滞空時間を短くしてフェアウェイに早めに着弾させることを考えます。ティアップを低くし、コンパクトなスイングで低いライナーを打つのですが、やったことのない人がいきなりそれをやると失敗してしまう可能性大です。景色に惑わされないで、普通に構えて普通にスイングする。飛ばそうと思わなくても勝手にキャリーが伸びる。そう考えて気持ちよくスイングしましょう。
打ち上げのティショットはキャリーが低下してもOKと考える
打ち上げのホールは打ち下ろしのホール以上にミスショットが生じやすくなります。ティーイングエリアよりもフェアウェイが高いと心理的に圧迫感を受けやすいですし、「ボールを高く上げたい」という意識が働きやすいのです。構えたときに目線が高いほうにいき、右肩が下がって右足体重の姿勢となります。
上体が右に傾いたままでスイングした結果、すくい打ちとなってチョロやダフリが出てしまいます。ダウンスイングでクラブが寝て下りてフェースが開きやすいですから、プッシュスライスも多発します。
平らなホールよりもボールがフェアウェイに早く着弾するのでキャリーが低下します。球が低いライナーで飛んで、十分な高さに上がっていないように見えますが、そう見えるだけです。キャリーが落ちるのは仕方のないことと割り切りましょう。上り傾斜に向かって高い球を打とうと思った時点でメンタルが崩れているのです。
この場合も平らなホールと同じように構えて、普通にスイングするだけでミスをかなり防げるはずです。打ち下ろしも打ち上げも特別なことはなるべくやらないこと。ミスしてしまうのはスイングのエラーよりも、心の持ちように問題があるのです。
パー3ホールのティショットの場合は、無風を条件として打ち下ろしはキャリーが多く出てピンやグリーンをオーバーしやすくなります。グリーンが低いほど小さめの番手を選んで打ちましょう。基本的にはグリーンがティーイングエリアより10ヤード低ければ一番手小さいクラブを持つのがいいといわれています。打ち上げではキャリーが少なくなるため、グリーンの手前にショートしやすくなります。グリーンが高いほど大きめの番手のクラブを使いましょう。
〈POINT〉
・打ち下ろしのティショットは低いほうを見ない
・打ち上げのティショットは上げようと思わない
・景色に影響されないで普通にスイングするのが一番
・パー3は高低差を考慮して使うクラブを選択する
取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●Vol.1:コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2:練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3:ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4:ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5:フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6:パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7:パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8:ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9:バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10:フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11:アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12:打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13:ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14:グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.15:3パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16:風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17:林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18:パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる