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町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.18

思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!

2020/07/20 ゴルフサプリ編集部

 パー3ホールはティショットがうまく打てたらパーが取れる確率が上がる。ショットをうまくつなげないとなかなかパーセーブできないパー5やパー4のホールよりもパーが取りやすいのだ。「コツはティショットで自分に期待をしすぎないことです」と町島久晴プロ。18ホール中の4つのパー3で上手にスコアをまとめよう。

町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。

パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる

基本はグリーンの真ん中狙いでOK。状況次第では安全なエリアに打とう

ショットの精度が高いプロやシングルゴルファーたちはパー5でバーディを取るケースが多いのですが、ショットのミスが多いアマチュアゴルファーはパー5でスコアを崩してしまうパターンを多くみます。

その点、ティショットの出来がスコアに大きく影響しやすいパー3ホールの場合、プロやシングルゴルファーたちはパーをセーブできても、バーディ奪取は結構難しいのです。逆にいえば一般のアマチュアゴルファーにとってはワンチャンスでパーが取れますし、悪くてもボギーで上がれる公算が成り立ちます。

さてティショットをうまく打つためのポイントですが、まずティーイングエリアの横にあるヤード表示板を見て距離を確認しましょう。基本的にはグリーンの中央までの距離が表示されているコースが大半です。写真のようにグリーンの中央までが138ヤードでもピンの位置によっては実際の距離が変わってきます。

とはいえピンの位置がどこであってもグリーンの真ん中に打つのがベストであることは確かです。狙い通りにグリーンの真ん中付近に運べたら、ピンがどこに立っていようと2パット以内でホールアウトできる確率が高いからです。

もう一つは目標の設定です。グリーンの手前側や両サイドにバンカーや池がなければグリーンの真ん中狙いのままでOK。でもこのホールのようにグリーンのすぐ手前に大きな池があるときは状況が変わってきます。グリーンの中央まで届くクラブを持ち、ピンを真っすぐ狙って打った。当たりがよくてワンオンに成功。そんな具合にシナリオどおりにいけばいいのですが、当たりが薄くてちょっとショートしてしまうことが多いという人は、ピンを真っすぐ狙うのは危険です。

このシチュエーションでは手前にショートしても池につかまる心配がないエリアに目標を絞って打ちましょう。ピンの左側のエリアに打っておけば手前にショートしても次のアプローチが比較的易しく打てますし、グリーンの左サイドに外してしまった場合も同様です。

パー3ホールでうまくスコアをまとめる一番のコツは、ティショットで大きなミスをしないこと。100点満点のショットを打たなくてはパーが取れないわけではありません。「最高のショットを打とう」と考えると大きなプレッシャーを背負うことになり、スイングに悪影響を及ぼしてしまいがちです。60〜70点くらいの出来でもいいから、グリーンの近くに運んでおいて次のアプローチで寄せて1パットのパー、もしくは2パットのボギーで上がれる回数を増やしていきましょう。

ヤード表示板はグリーンの中央までの距離を表示しているのが一般的。
基本はグリーンの中央狙いだが、池越えとなる場合は手前にショートしても安全なエリアを狙おう。
ピンだけを見るのではなく、グリーン周りの状況を十分に確認した上でティショットの成功率を上げよう。

フォロースルーで低く振り抜けば、ミート率が上がってミスが激減

ボールが思ったより飛びすぎてグリーンオーバーしてしまうのは困りものですが、どちらかといえばグリーンの手前にショートしてしまうゴルファーを多く見ます。自分の距離を過信している点も考えられますが、ティアップが高すぎるのも良くありません。ドライバーショットと同じくくらいか、それよりも少し低いティアップではインパクトでフェースの上にボールが当たりやすくなります。フェースの芯を外してしまうため、キャリーが伸びない弱々しい球となるのです。

7番アイアン以下のクラブはティペグの頭が芝から少し出るくらいの高さが理想的なティアップです。芝からボールが少し浮くくらいの高さとなります。5〜6番アイアンなどロフト角が少なめのクラブやユーティリティ、フェアウェイウッドで打つときは、それよりも少しだけティアップを高めにしましょう。

スイングに関してはマックスの力で振らないこと。8割くらいに力をセーブし、トップとフィニッシュを低めに抑えたコンパクトなスイングを心がけましょう。力いっぱい振り回してはミート率が低下して、0点とか10〜30点といった内容のミスショットが生じやすく、スコアメイクが難しくなってしまいます。フォロースルーでクラブヘッドを低く出していくイメージでスイングするとボールを正確にとらえやすく、60〜70点レベルのショットが打ちやすくなります。

アイアンショットのレベルを上げる練習をするなら、ハイティアップの練習がオススメです。ティアップをうんと高くし、クラブヘッドをボールの高さまで浮かせて構え、ボールだけをクリーンヒットしましょう。上から鋭角に入っても下からすくい上げてもいけません。クラブヘッドを鈍角に入れて、ボールを横から払い打つイメージでレベルに打つのです。

プロたちもよく行っているくらいの、かなり高度な練習法ですが、この感覚に慣れるとパー3ホールのティショットの成功率がアップしますし、フェアウェイからのアイアンショットの上達にも直結します。

高すぎるティアップではフェースの上に当たり、キャリーが伸びない弱々しい球となりやすい。
スイングがよくてもティアップの高さを間違えるとミスにつながることを頭に入れておこう。
ティペグの頭が芝から出るくらいの高さがベスト。ボールが芝に少し浮く程度だ。
ボールの位置はスタンスの中央。両手を左モモのツケ根の前にセットし、軽くハンドファーストに構える。
8割くらいの力感でスイングしよう。振り回さないでコンパクトはトップを作る。
フォロースルーで低く出していくイメージを持てばインパクトの正確性がアップする。
アイアンのレベルアップにはハイティアップで打つ練習が効果的。
クラブヘッドをボールの高さまで浮かせて構える。両手にクラブの重さを感じておこう。
スイング中、頭の高さをキープしてボールだけをクリーンに打つのが大切なポイントだ。

〈POINT〉
・最高のショットを期待しないのがミス防止の決め手
・ピンの位置に関係なくグリーンの中央狙いがベスト
・グリーン周りの状況を見て安全なエリアに運んでおく
・ティアップを低くし、フォローでヘッドを低く出す

取材・文・写真/三代 崇 
協力/サザンヤードCC


【シリーズ一覧】
●Vol.1コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.153パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる