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パー5ホールはティショットも2打目も飛ばす必要なんてない!では、どうやって攻めればいい?
町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.7 思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!
プロたちにとってパー5ホールはバーディチャンスを量産したいホール。でもアベレージゴルファーにとっては一つ間違えると大叩きしやすいホールだ。「3打目をやさしく打てる状況を作ることが大事で、そのためには2打目がキーポイントとなります」と町島久晴プロ。スコアを無駄にしない攻略法を教えてもらった。
町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。
パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
パー5ホールはティショットも2打目も飛ばす必要なんてない
プロやシングルゴルファーたちはパー5ホールに限らず、ティショットをどんな球でフェアウェイのどの辺に運び、2打目はピンに対してどこを狙って打つかの作戦を立てながらプレーしています。計画と実行がきちんとしているわけです。ところがアベレージゴルファーの皆さんはそのホールの状況をよく確認もせずに、フェアウェイの真ん中だけを見て打とうとします。当たりがよくてフェアウェイの中央に運べたらOKですが、大抵は計画通りにはいかないでしょう。
パー5ホールは距離が長いからティショットで飛ばさないといけないと思いがちですが、飛ばす必要なんてありません。仮に500ヤードのパー5としましょう。ティショットで200ヤードくらい飛べば残り300ヤード。距離があまりでない人でも2回のショットで十分にグリーンに届きます。
ショットのつなぎがよければ3オンは可能ですし、2打目でダフリやプッシュなどのミスが出ても4オン狙いに切り替えて安全確実にプレーすれば大怪我しなくて済みます。 基本的にはグリーンのほうから逆算して3打目をどの辺から打てばスコアがまとまりやすいかを考えることが大事ですし、3打目はできるだけ自分の得意なクラブとか、自信のある距離を打てるのがベストといえます。
90切りを目指すレベルのゴルファーなら150ヤード残すよりは100ヤード、100ヤードよりも50ヤードという具合にグリーンまでの距離が近いほうが乗る確率が高いのも事実。でも3打目を短いクラブで打ちたいからといって、2打目で距離を欲張ると失敗しやすいものです。
一番いけないのはリキんでしまうこと。2打目で3番ウッドを持ち、できるだけグリーンに近づけようと振り回してはOBや大ダフリ、チョロなどのミスを招き、そこからプレーがガタガタと崩れてしまうハメとなります。
ティショットと同様で、2打目も飛ばすことが重要ではないのです。3打目、もしくは4打目でグリーンやピンを狙えるポジションに運ぶために、まずは2打目を確実に打つことに全力を注ぎましょう。
3打目を考えて2打目を安全な方向に打つのがベスト
写真の場面は軽い打ち下ろしの526ヤードのパー5ホールです。ティショットでフェアウェイの左サイドをキープし、残りはまだ300ヤード近くあります。
セカンドの地点からのルートは2つ。グリーンに向かってフェアウェイがかなり左に折れていて、1つはフェアウェイ左サイドの池を越えていく最短ルート。もう1つは左の池を避けてフェアウェイの右サイドに運ぶルートです。池越えに成功すれば3打目は残り50〜60ヤードくらいですが、右サイドなら100ヤード近く残ります。
これから打とうするセカンド地点の15ヤード先にある標識を見ると、標識の場所から左の池の手前の縁まで125ヤード、池の奥の縁までは160ヤードと距離が表示されています。どっちを選択するかは自分の腕次第です。5番ウッドかユーティリティで左の池を越える自信が7〜8割あるのならOK。「ちょっと自信がないな」と思った時点で最短ルート狙いは断念し、6〜7番アイアンなどで右サイドのフェアウウェイの幅が広くなったエリアに運んでおきましょう。
3打目の距離が長ければ強引に3オンを狙わず、4オン狙いに切り替えて安全に攻めればボギーで上がれる公算が成り立ちます。ショットのつなぎを考えて無理なく攻めれば、スコアがまとまりやすくなります。最初の計画が思うように運ぶようになるとパーが取れる回数も増えてきます。
パー5ホールで覚えたショットのつなぎをパー4ホールにも当てはめて考えればパーはもちろんバーディも取れるようになります。狙ったターゲットに打つには、自分で目標を決めてターゲットに対ししてスクエアに構え、方向や距離などの誤差を埋める練習を普段から積んでおく必要があります。
マットの向きを向いて打つばかりではなくて、マットと違う方向を向いて打つ練習もしておきましょう。自分で「左を向こう」とか「右を向いて打とう」などと思うと体が極端に左や右を向きすぎてしまうゴルファーが多いので、しっかりと目標意識を持ってショットを打つようにしましょう。
〈POINT〉
・つねにショットのつなぎを考えてプレーする
・パー5ホールはティショットも2打目も飛ばさない
・3打でと届かなければ4オンでもOKと割り切る
・普段の練習では目標意識をしっかり持つことが大事
取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●Vol.1:コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2:練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3:ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4:ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5:フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6:パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7:パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8:ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9:バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10:フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11:アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12:打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13:ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14:グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.15:3パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16:風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17:林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18:パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる