- TOP メニュー
- スコアに効く
- コースマネージメント
- 町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.8
町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.8
思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!
フェアウェイの途中から左右に折れ曲がったドッグレッグホール。ティーイングエリアに立ったときの視界から最短ルートで攻めたくなるが、安易な作戦は禁物。「ドッグレッグはゴルファーの知恵と技量が試される場面ですよ」と町島久晴プロ。ドッグレッグの賢い攻め方をレクチャーしてもらおう。
町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。
ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
最短ルートを狙うときはティショットの成功率を考えよう
セカンド地点付近からまるで「犬の脚」のようにフェアウェイが折れ曲がったドッグレッグのホールはよく見ますよね。そんな場面で大叩きしてしまうことが多いという人はティショットを安易に打っていませんか?
たとえば390ヤードの左ドッグレッグのパー4ホール。フェアウェイの左サイドは崖まで、その先は林でグリーンの方向は見えません。なるべくグリーンの方向に打ったほうが第2打の距離が短くなるのは考えなくてもわかることです。
でも、そこからが問題なのです。左の崖をうまく越えられたら残りの距離が100ヤードを切るかもしれません。ところが崖を越えるにはドライバーのキャリーが最低でも230ヤードは必要。男子プロなら当然ショートカット狙いでしょう。一般のアマチュアはランを含めた距離なら230〜240ヤード飛ばせても、キャリーだけで230ヤード打てる人はそんなに多くはいません。
左方向に打ってキャリーが不足したら崖下に打ち込んでしまいますし、崖まで行かなかったとしても曲がり角のコーナー付近はバンカーや傾斜地などになっているケースが多く、第2打がトラブルショットになるのは目に見えています。
運良くフェアウェイ左サイドをキープできても、グリーンがとても狙いにくくなります。フェアウェイの3打目が打ちやすそうな場所へと運ぶしかないのです。
これは右ドッグレッグのホールも同様です。右サイドが林でしたらキャリーに加えて高さも出さないといけませんから、最短ルート狙いの危険性がかなり高くなります。
自分のドライバーの飛距離と技量を考えて成功率が7〜8割以上ならショートカット狙いがオススメです。「ちょっと自信がないな」と思った時点で最短ルートを諦めてターゲットを変えましょう。自分の実力や飛距離を過信しないことです。
ドッグレッグは「遠回りルートが安全」のワナに注意
ところでドッグレッグホールは「遠回りで攻める」のが定石ともいいますよね。写真のような左ドッグレッグホールならフェアウェイの右サイドに運んでおけば、第2打の残りの距離が長くなってもグリーンを狙いやすいというわけです。
右ドッグレッグの場合はフェアウェイの左サイドに打つ。これは正しいようでいて、かなりのリスクがあると私は考えます。
どうしてかというと「右を向こう」と思った時点で、体を右に向けすぎてしまうゴルファーは圧倒的に多いから。右サイドがOBのホールでは左を向いて構えようとして極端に左を向きすぎてしまうのと同じ現象が起こりやすいのです。
左ドッグレッグホールで安全に右サイドに打ちたいのなら、フェアウェイの中央よりもほんの少しだけ右を向いて構える程度でOK。
左のコーナーを避けようとして右を向きすぎると右の林に打ち込んでしまいやすいですし、狙いは悪くなかったとしてもキャリーが出すぎて右の林を突き抜けてしまうケースもよくあります。私はドッグレッグホールの攻略法として、セカンド地点から先はないものと考えましょうとアドバイスしています。
セカンド地点からグリーン方向を見た景色を想像することも大事かもしれませんし、状況にもよるでしょう。でも基本的にはフェアウェイの中央を狙うのがベストです。フェアウェイ中央狙いをベースとして、状況に応じて目標を少し変えるとか、使うクラブを変えるなりの作戦を立てましょう。
ここはかなり右に折れているからフェアウェイのセンターに打つと第2打でちょっとグリーンが狙いにくいかもしれない。でも10ヤードほど左を狙うとドライバーでは飛びすぎてしまいそうだから、5番ウッドでティショットを打とう。
この場面は緩やかな左ドッグレッグだから、そんなに右に打たなくても良さそう。でも最短ルートはやはり危険だから、ドライバーでフェアウェイセンター狙いだ。
そんな具合に自分の飛距離と相談し、目標設定と使うクラブを的確にチョイスすることが肝心です。ドッグレッグといっても色々な状況がありますし、ゴルファーの飛距離によってターゲットがいくらでも変わるのです。
〈POINT〉
・ドッグレッグホールでは自分の飛距離を過信しない
・遠回りルートにこだわりすぎると失敗する
・基本はフェアウェイセンター狙いがベスト
・自分の飛距離でターゲットがいくらでも変わる
取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●Vol.1:コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2:練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3:ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4:ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5:フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6:パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7:パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8:ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9:バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10:フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11:アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12:打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13:ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14:グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.15:3パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16:風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17:林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18:パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる