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いいショットを打とうとするからミスをする? 100切りは技術よりもメンタルのほうが大事だったりする
町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント
調子がよいときは90前半で回れるけど、たまに大叩きして100オーバーでなかなか90が切れない。コースマネジメントの見直しも必要だが、「戦略を考える前にもっと大事なことがあります」と町島久晴プロ。第1回目はコースマネジメントの肝から解説してもらおう。「あるある」と思えることが多いはずだ。
町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。
コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
プレッシャーを背負わずに、気楽に打つのが一番のコツ
コースマネジメントとは「コースをどう攻めるか」とか「このホールの状況に合わせていかに攻略するか」という考え方のことですが、実をいえば100切りも90切りもあまり変わりません。結論を先に言ってしまうと、90を切るのは技術よりもメンタルが重要なのです。
コースマネジメントといっても、やることはどのホールも一緒。ティショットを打ってセカンドショット、アプローチショットとつないで最後にパターを打ってホールアウトです。
だけど今までのラウンドの経験を振り返ってみると、色々な場面で「いいショットを打たなくては」とか「ミスしてはいけない」などと自分にプレッシャーをかけてしまっていませんでしたか?
「もう少し気楽に打てばいいんだな」ということがわかってくれば、コース攻略の考え方が変わってきます。自分でも驚くほどミスが減ってきて、ショットの成功度がアップします。コースマネジメントはこうした思考やメンタルが大きく関連していることを最初に理解してください。
OBを怖がってばかりいないで、打ちたい場所をはっきり決める
コースマネジメントは言ってみればリスクマネジメントのこと。ティショットでOBや池などに打ち込んではスコアの損失ですから、リスクを避けて安全確実に攻めるのが基本的な考え方です。
OBや池など打ってはいけない場所を見つけて注意するのは大事ですが、「あそこに打ってはいけない」という潜在意識が強すぎてはいけません。フェアウェイの右サイドがOBだからといって、ただ左に逃げるだけではダメ。「左を向けばいい」と思うと極端なくらい左を向いてしまう人がとても多いからです。OBを回避できても左の林に打ち込んでは何にもなりません。
「OBに打たないようにしなきゃ!」なんて思わずに、「あっ、右はOBなんだな」とサラッと考える程度でOK。「それならフェアウェイ中央のやや左サイドのあそこを狙おう」とはっきり決めて打つことが大切です。
100点のショットよりも50〜60点のショットを継続すること
コース攻略はあまり頭でっかちにならないこと。あそこはダメ、あそこもダメなどマイナスの方向ばかりに考えずに、「あそこを狙って打とう」とプラスの方向に意識を向けるようにしましょう。あれこれ難しく考えたり、情報過多になったりしないで、もっとシンプルにいきましょうよ、というのが私の一番伝えたいことです。
90切りを目指すゴルファーなら、そんなにナイスショットを打たなくても大丈夫。100点満点のショットを打つよりも、0点のショットを打たないこと。そのくらいラクな気持ちでプレーしてみてください。
OBは0点だからできるだけ避けるとして、チョロとか大ダフリに注意し、50〜60点のショットが打てればいい。完璧を求めなければ50〜60点のショットが打てる回数が増えて、スコアも自然とまとまってきます。
他人がいいショットを打つと、「自分もいいショットを打たなきゃ!」とプレッシャーになってしまいます。自分は自分ですから、人と比べないこと。できないことはやらないで、自分のできることだけをやる。これが肝心です。
普段の練習では自分のショットを採点してみよう
普段の練習でもグッドショットばかりを打とうと思わないで、ミスの少ないショットを多く打つことにポイントを置きましょう。
打席の前にフェアウェイを想定し、大きく右や左に飛んだら0点、大ダフリやチョロは10〜20点、トップして真っすぐ飛んだら60点、当たりが薄くて飛ばなかったけどフェアウェイの幅に行ったら50点という具合に自己採点してみて、その日のショットの平均点を割り出してみると練習の楽しさが増すし、実戦にも直結します。
真っすぐ遠くに飛んでいく100点のショットばかり求めると、点数の低いショットも多く生じやすくなります。力感を7〜8割くらいに抑えて気楽にスイングし、まあまあのショットを打つくらいの感覚で打つのがコツです。
〈POINT〉
・いいショットを打つだけがコースマネジメントの条件ではない
・OBや池から逃げてばかりいないで、目標をはっきり決めて打つ
・コースでも練習場でもラクな気持ちで50〜60点のショットを打つ
・自分のできることだけやれば、スコアが自然とまとまる
取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●Vol.1:コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2:練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3:ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4:ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5:フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6:パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7:パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8:ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9:バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10:フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11:アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12:打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13:ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14:グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.15:3パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16:風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17:林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18:パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる