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町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.11

思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!

2020/06/10 ゴルフサプリ編集部

アイアンは主としてグリーンを狙いたいときに使うクラブ。距離を出すよりもターゲットに運ぶという意識を持とう。「リスクを避けて安全に打つのは当然として、ミスを回避するツボを頭に入れておけばスコアがよくなりますよ」と町島久晴プロはいう。
スコアアップに直結するツボを教えてもらおう。

町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。

アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる

目につきにくい打ち上げに気を配ろう。クラブは大きめの番手を選択するのが原則

セカンドショットはボールが平らなフェアウェイにあっても、グリーンに向かって打ち上げとなるケースが多い。

写真はフェアウェイからのセカンドショットの場面です。ボールは平らなフェアウェイの絶好のポジション。ピンまでは135ヤードです。こんなときほとんどのゴルファーはピンまでの残りの距離に自分の飛距離を当てはめて、どのクラブを使うかを決めようとします。

場合によっては「7番じゃ少し小さいけど、6番だとちょっと大きいかな」と迷うこともあるでしょう。迷ったときは小さめのクラブでしっかり振るのがいいとか、大きめのクラブでコンパクトに振るのがいいなどと意見が分かれますが、それは距離感のコントロールがきちんとできる上級レベルのゴルファーの話であって、90切りを目指す人ならクラブ選択で迷ったら大きめのクラブを選択するのがベターです。

今までのラウンド経験を思い出してみてください。当たりが良くてピッタリだと思ったショットがグリーンの手前にショートしたというケースが案外多かったと思いませんか? 自分の飛距離を過信していたということも考えられるでしょう。でも、もう一つの理由があります。それはグリーンが打ち上げになっていることです。
 
日本のゴルフ場はティショットが打ち下ろしで、セカンドショットは打ち上げとなるパターンがよく見られます。ひと目で打ち上げとわかる場面は別にして、目につきにくい打ち上げも案外多いですから油断なりません。フェアウェイよりもグリーンが高いとボールが早く着地します。その分だけキャリーが落ちることを計算に入れてクラブの番手を上げましょう。

写真はフェアウェイとグリーンの高低差は10ヤードくらいです。通常は8番アイアンで打つ距離でしたら、6番または7番のアイアンを使いましょう。それほど打ち上げでなくてもピンの根元が見えなければ、通常の番手では手前にショートしやすいと考えて一番手大きいクラブを選択することをオススメします。

ショットの方向を安定させるにはボールの後方から目標方向を見て、ボールと目標を結ぶ飛球線をしっかりイメージすることが大切です。飛球線のイメージが曖昧ではダメです。ボールの30センチくらい先と30センチくらい後方に目印を設定し、この2点を結ぶラインを明確にイメージしましょう。

30センチ先の目印にフェースを真っすぐ向けて、2点を結ぶラインに対して平行に立ちます。私はアマチュアの方々に「この飛球線を壁と想定して、壁と平行に構えましょう」とよくアドバイスします。飛球線を立体的にイメージすることで方向感覚がつかみやすくなります。

グリーンとの高低差を見て1〜2番手大きいクラブを選択しよう。
ボールの後方から目標を見て飛球線をイメージすることが大切。
ボールの30センチ前方と後方に目印を設定すれば飛球線のイメージがより明確になる。
最初に30センチ前方の目印にフェース面を真っすぐ向ける。
2つの目印を結ぶラインに対して平行に立って構える。
飛球線を壁とイメージし、壁に向かって真っすぐ近づいていくのもOK。
壁をイメージすることで方向感覚がつかみやすく、スクエアに構えられる。

ショットを打つ前に芝を軽くこする素振りをしておけばミスを回避できる

打つ前の素振りも大事です。ドライバーを打った後の2打目のアイアンショットってダフリも出るけど、よくトップしませんか? アプローチもそうですよね。どうしてかというとドライバーを打った感覚のままでスイングしてしまうからです。こうしたミスを未然に防止するためにも、「アイアンを打つ前には芝を軽くこする素振りをしましょうね」とアマチュアの方々に教えるようにしています。

素振りは空振りではなく、少しこする素振りをしなくてはいけません。そうしないとクラブヘッドがボールの下まで入らず、ボールの頭ばかり叩いてしまうことになります。ドライバーのようにティアップしていればちゃんと当たっても、フェアウェイの芝の上のボールは当たらないのです。

フェアウェイといっても平坦な場所は案外少なく、多少の傾斜地となっていることが多いもの。平らだと思ってスイングしたらトップやダフリとなってしまったというのもショット前の素振りの仕方がよくないのが原因です。傾斜にはツマ先上がりやツマ先下がり、左足上がり、左足下がりなどがありますが、「この場合はこう構えてこうスイングする」といった情報過多は逆にミスを招きやすいので注意が必要です。

ツマ先上がりでフックを打とうとしたらシャンクばかり出て、どんどん高い場所に行ってしまったとか、ツマ先下がりはスライスが出やすいというけど左にヒッカケてしまったなど失敗の経験があるでしょう。傾斜地ではいつもと違う打ち方をしようとしがちですが、それがミスの引き金となることが多いのです。特殊な打ち方をしないとダメと思うからスイングがおかしくなるわけです。

急な傾斜地でない限り、あまり複雑に考えないでできるだけ普通にスイングするのが一番です。クラブヘッドのソールで芝を軽くこする素振りを数回繰り返すと、その傾斜に合ったバランスのいい立ち方や、適正なボールの位置、スイングの適度な振り幅などがつかめてきます。多くのアマチュアが苦手とする左足下がりでは、芝を軽くこすって振り抜いたら右足を1歩前に踏み出せばスムーズな振り抜き感覚を体感できます。

傾斜がきつくなるほどフルスイングはできませんから、構えた姿勢のバランスを保てるようにハーフスイングで振るのがいいといったことも感覚でわかります。色々な意識が過剰にならないように、打つ前の素振りでショットのイメージを把握しておきましょう。それだけでミスが激減するはずですよ。

ショット前にボールの近くで芝を軽くこする素振りを数回繰り返そう。空振りの素振りはNGだ。
正しい素振りでバランス感覚をつかんでおけば、グッドショットの確率がアップする。
軽い左足上がりなどの傾斜地でも打つ前に芝を軽くこする素振りをしておくとミス防止に大きく役立つ。
緩やかな左足下がりの傾斜地では振り抜いた後に右足を1歩踏み出す素振りが効果的だ。

〈POINT〉
・ピンの根元が見えないときは大きめのクラブを選択
・飛球線を高い壁と想定すればスクエアに構えやすい
・打つ前に芝を軽くこする素振りで感じをつかむ
・傾斜地でも素振りでバランス感覚をチェック

取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC



町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント

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【シリーズ一覧】
●Vol.1コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.153パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる