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町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.16
思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!
強い風が吹いている日のプレーはスコアがまとまりにくい。ボールが風に流されやすく、距離感や方向性の判断が難しくなるためだ。「そこで色々なことをやろうとする人が多いのですが、策を弄しすぎて逆効果となるケースがほとんどです」と町島久晴プロ。では風が強い日はどんなポイントに気を配ればいいのだろうか。
町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。
風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
アゲンストの風のドライバーはいつもより「ゆっくり」振ろう
ティーイングエリアに立つと、アゲンストの強い風がまともに吹いてくる。こんなときはプロでも結構イヤなものです。風が強いときに注意したいのは力みです。向かい風に立ち向かおうとしてドライバーを思い切り振り回すと、ボールが予想以上に高く上がってしまいます。ヘッドスピードが速いほどスピンがかかりやすいのです。
じゃどうすればいいかというと、ティアップの高さは普段のままにしておいて、いつもよりちょっとだけゆっくり振りましょう。ゆっくり振るだけで意外に風の影響を受けにくいもの。力のない女性や年輩のゴルファーたちは球があまり高く上がらないため、ボールがそれほど風に流されません。
力のある男性ゴルファーも少しスピードを落とすつもりでスイングすればスピン量が自然に少なくなり、出球も低くなって風の影響を受けにくくなります。ミート率が上がりますし、フェアウェイに落ちてからのランも出やすくなりますからティショットの成功率がアップします。
プロや上級者たちはティアップを低くし、インパクトの打点をコントロールして出球の低い球を打つことがよくありますが、こうした技術を磨く練習を普段からやっていない人がいきなりやるのは逆効果です。ティアップが低いと上から鋭角に打ち込んでしまいやすく、ボールが吹き上がってしまうケースが多いためです。プロや上級者たちはティアップを低くしても、スイングは変えていないのです。
横風のときは風向きに過敏になって、極端に右や左を向きすぎないように注意
フォローの風が吹いているときはティアップを少し高くして、出球の高い球を打つというやり方があります。風に乗せてキャリーを伸ばすには高い球が有利ですが、意図的に高い球を打とうとしてすくい打ちになるとトップやダフリが生じやすいので注意が必要です。ティアップを少し高くするのはいいとしても、普段どおりのスイングを実行しましょう。
アイアンショットでしたら、アゲンストの風は1〜2番手大きいクラブ、フォローの風なら1〜2番手小さいクラブを選択し、いつもと同じスイングで打つのが一番です。
横風の場合は風の強さにもよりますが、右からの風が吹いているときはボールが10ヤードくらい左に流されることを計算に入れて目標を10ヤード右に設定し、普段どおりにスイングするのが一番です。ちょっと右を向こうと思っただけで極端に右を向いてしまうゴルファーが多いので、あまり過敏にならないようにしましょう。風とケンカさせないで、風をうまく利用するという感覚です。
要は最高のショットを打とうなんて思わないこと。色々なことやろうとした結果、OBのような0点のショットの結果となっては大損です。風がどんなに強くたって、50〜60点のショットが打てればOKと割り切りましょう。ボールが風に影響されるよりも、自分の心が風に影響されてはダメということです。
同じホールでもショットする場所で風向きが大きく変わることもある
風が吹いている日は、風をうまく読むことも大事なポイントです。風の読みは雲の流れや高い木の枝の揺れ具合などを見て判断しましょう。グリーン上のピンフラッグの揺れ具合を見たり、ショット前に芝を少し千切って風向きを見たりするのもいいのですが、そのホールの地形などでボールの場所とグリーン上の風向きが違うことがよくあります。
風の読みで迷ったら、「その日の基本の風向き」を基準にするのがいいでしょう。コース全体の地形やレイアウトを把握した上で、コースの上空の雲の流れで判断するのです。1番ホールはアゲンストなら、2番ホールは左からの風という具合に、次のホールは風がどう吹いているかを見ることで、今自分がいるホールの全体を通しての風向きをうまく読めるようになります。
またドッグレッグのホールでは、ティショットとセカンドショットの風向きが異なることも頭に入れておきましょう。なかなか難しいことですが、風の読みは「観察力」が欠かせないのです。
〈POINT〉
・向かい風のドライバーは普段より少しゆっくり振る
・追い風も横風も難しく考えず、風を利用すればいい
・自分の心が風に影響されるのがミスの一番の原因
・風の読みで迷ったら、基本の風を基準にして判断
取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●Vol.1:コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2:練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3:ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4:ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5:フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6:パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7:パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8:ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9:バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10:フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11:アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12:打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13:ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14:グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.15:3パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16:風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17:林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18:パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる