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ピンまでの距離だけで使うクラブを決めてはダメ ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント 思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!
フェアウェイの絶好のポジションからのアイアンショット。こんな場面ではピンを積極的に攻めたい。ところが結果は手前にショート。「アレッ、当たりはよかったんだけどなぁ」と首をかしげるとしたら、大きなカン違いをしている可能性大。「ピンまでの距離だけで使うクラブを決めてはダメ」と町島久晴プロ。一体どういうこと!?
町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。
ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
同じ150ヤードでも色々な150ヤードがある
ピンまで150ヤードの状況を思い浮かべてください。「150ヤードなら7番アイアンでピッタリだな」と思う人は迷わず7番アイアンを持つはず。中には「7番アイアンじゃ少し小さいけど6番アイアンだと大きいかな」と悩んだ挙句、大きめの6番アイアンで打つ人もいることでしょう。
クラブ選択で悩んだら小さめのクラブでしっかり打つのがいいとか、大きめのクラブを短く持って打つのがいいなどといいますが、どっちでもいいこと。もっと大切なポイントがあるのです。
同じ150ヤードでも状況はさまざまですから、ショットを打つ前に「どんな150ヤードなのか」をしっかり確認しないといけません。ピンまでが150ヤードでも手前のグリーンエッジまでが140ヤードで、そこから10ヤードなのか。グリーンエッジまでが130ヤードで、そこから20ヤードなのか。グリーンエッジまでは120ヤードで、そこから30ヤードなのか。状況はいくらでも異なりますし、状況によっては攻め方もクラブ選択も変わってくるのです。
ピンまでの距離やピンの位置を確かめることも大事ですが、手前のグリーンエッジまでの距離をしっかり把握することが重要です。
手前にショートしてもグリーンに乗るな、ピンをオーバーしてもグリーン上で止まってくれるな、手前のグリーンエッジまで130ヤードからこのクラブでも十分に届くな、などとクラブの番手選びが的確になりますし、安心感も生まれてグッドショットの確率も上がります。
自分のキャリーの距離を正確に知っておこう
そしてもう一つ重要なのは、自分の飛距離を正確に知ることです。飛距離とはボールの着弾点までの距離のこと。キャリーだけであって、ランは含みません。
「7番アイアンで150ヤード飛ぶ」という人のほとんどは、ノーバウンドの150 ヤードをイメージします。最終的に止まったところが150ヤードと思い込んでいますが、実際はキャリーが120ヤードか130ヤードくらいで、そこからコロコロと転がっているにすぎないのです。
150ヤード飛ぶと思い込んでいる人はピンが手前側の150ヤードの場面ではグリーンに届きません。グリーンの手前に池やバンカーがある状況では手前のハザードに打ち込んでしまう確率が高い。実際のキャリーが130ヤードの人なら当たりが良くても届かないのは当たり前です。
グリーンが速ければランが多く出てトータルの距離が150ヤードとなるケースもあれば、雨の日などグリーンが重いときは落ちたところで止まってしまうケースもあります。練習場でもコースでもボールが落ちた場所までの距離を把握することが大切。自分の飛距離を過信してはいけません。
ピンを狙いたいときは手前のグリーンエッジまでの距離を確認し、自分のキャリーを当てはめてクラブの番手を選びましょう。
ピンの位置が手前ならピンの奥に乗せるのが正解
コースマネジメントの基本項目として「ピンの手前から攻める」とよくいわれます。ピンやグリーンをオーバーしてしまうと返しのパットやアプローチが難しくなるためですが、すべてにおいてピンの手前側から攻めればいいというわけではありません。
たとえばピンがグリーンの手前側に立っているケース。ピンまで140ヤード、手前のグリーンエッジまでが134ヤードとしましょう。ここでピンの手前に乗せようとするとキャリーが不足して手前の花道で止まる可能性大です。ショートしても花道はライが良いからピンに寄せやすいと安易に考えてはダメ。
ピンの手前のグリーン面が狭いから、転がして寄せるのは難しい。上げたくてもピンが近いため距離感が合いにくく、インパクトで緩んでザックリやトップ、シャンクなどのミスを招く怖れもあります。それならピンの少し先に乗せておいたほうが、次のパットが下りになってもスコアがまとまりやすいといえます。
ピンが奥の場合はグリーンの真ん中に乗せるのがベストです。ピンが手前なら奥、ピンが奥なら手前。要はグリーンの真ん中に乗せておくのがもっとも確実な作戦なのです。
練習場でアイアンを打つときは距離を伸ばすことより、キャリーの平均飛距離の安定を第一に考えましょう。7番アイアンで8割くらいの力感でスイングし、いいショットが打てたときのキャリーが135ヤードなら10割のスイングで145ヤード飛ばすのではなく、10球打っても135ヤードを平均的に打てるようになることが大切です。
〈POINT〉
・アイアンを打つ前にグリーンエッジまでの距離を確かめる
・自分の飛距離を過信するとピンチを招くケースが多い
・ピンが手前でも奥でも、グリーンの真ん中に運ぶのが安全
・飛ばすよりもキャリーの平均飛距離の安定を目指そう
取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●Vol.1:コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2:練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3:ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4:ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5:フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6:パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7:パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8:ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9:バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10:フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11:アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12:打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13:ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14:グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.15:3パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16:風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17:林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18:パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる