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町島久晴がレクチャーする90を切るための賢いコースマネジメント・Vol.9
思考をちょっと変えればミスが減る!スコアもまとまる!
グリーンを狙ったショットの当たりが薄くてボールは手前のバンカーへ。1回で出してグリーンに乗せるだけでOKなのに気持ちがソワソワしてしまい、結果は大ダフリ。「1回で出ないと慌ててしまいますよね。でもバンカーって本当は簡単なんです」と町島久晴プロ。どうすれば簡単に打てるのだろうか。
町島久晴
まちじま・ひさはる/1968年生まれ、茨城県出身。地元の茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスン。聴覚障害者のゴルファーにも手話でレッスンを行っていることで評判のティーチングプロ。
バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
バンカーでも通常のショットの同じ打ち方をすれば簡単
90切りを目指すゴルファーの皆さんはスイングの基本はほぼマスターできていて、ショットの安定性もある程度まで高まっているといえます。ところがグリーン周りのガードバンカーからのショットを打つときになると途端にソワソワしたり慌て出したりするんですよね。
きっと今までの多くの失敗体験が頭をよぎって不安になるのでしょう。でも通常のショットは普通に打てるのに、バンカーショットでは別人のようになってしまうのはどうしてだと思いますか。
ではバンカーショットの打ち方をサラッと思い出してみてください。サンドウェッジのフェースを開いてオープンスタンスに構える。アウトサイドインの軌道でボールの周りの砂をカットに打ち抜く。ボールの2〜3センチ手前にヘッドを入れて砂を爆発させる。バンカーショットの打ち方を学習した人ならサラサラと言えるでしょう。
ところが、こうした知識がバンカーショットを下手にしてしまっているのです。バンカーに自信をつけたかったら、まず簡単な打ち方を先に覚えること。そして、結果を求めないこと。この2つが大事なポイントです。
マネジメントの話から外れるかもしれませんが、バンカーから打つときはピンに寄せようと思わないことです。トラブルショットの1つですから、ピンの近くに寄らなくてもグリーンに乗せれば大成功。そう思えば気持ちがだいぶラクになるでしょう。
フェースを開いてオープンスタンスに構えるとか、アウトサイドインの軌道でカットに打ち抜くというのはプロやシングルゴルファーたちの高等テクニックです。アゴの高いバンカーやピンが近い場面など、球の高さや距離感をコントロールしてピンに寄せるための技術であって、あまり力のないゴルファーはこうした打ち方をしては、かえってバンカーからの脱出を難しくしてしまうのです。砂が前に飛びにくく、キャリーが十分に出にくいためです。
ではどう打てばいいかというと、通常のショットのようにピンに対してスクエアに構えて普通にスイングするだけ。どうですか、簡単でしょう? バンカーから1回で脱出できますし、キャリーも十分に出てグリーンまで届きます。よほどの状況でなければ、この打ち方でほとんどのバンカーはクリアできます。
実はこうした思考がマネジメントに直結し、スコアメイクに大きく役立つのです。
ソールで芝を軽くこする素振りで感じをしっかりチェック
もう1つアドバイスを付け加えさせて頂くとすれば、バンカーに入る前に近くの芝の上で素振りを数回繰り返して感じをつかんでおきましょう。バンカーに入ってからでも素振りはできますが、クラブヘッドが砂に触れるとペナルティですからやすやすと素振りはできませんよね。そこで近くの芝で素振りしておくのです。
ポイントはクラブヘッドのソールで芝を軽くこする素振りを繰り返すことです。バンカーショットの場合、インパクトの砂の抵抗がありますし、ボールも直接ヒットしませんから通常のショットよりもキャリーが3分の1くらいまで落ちます。ピンまで20ヤードくらいの距離でしたら、×3で60ヤードくらいのショットを打つときと同じくらいの振り幅となります。
バンカーに入ったら、躊躇せずに振り抜きましょう。砂をピンに向かって前に飛ばすつもりでスイングすればキャリーがよく出て、ピンの近くに止まってくれる回数も増えるはずです。そうなると不思議なもので、バンカーショットが楽しくなってしまうくらいです。
バンカーに自信をつけるには、砂の感触に早く慣れることも大事です。バンカーの練習の機会は少ないことと思いますが、バンカー練習場のあるゴルフ場でしたら、早めにコース入りしてスタート前にちょっと練習しておきましょう。
やり方としては砂の上に縦の線を引き、線をまたいで構えて線の上にヘッドを入れる練習がオススメ。自分から見て線の右側の砂を打たないで、左側の砂を飛ばすのがコツです。線の少し左側にボールがあると想定し、線の上を目がけてヘッドを落として砂をしっかり飛ばす。ぜひ実践してください。
〈POINT〉
・バンカーからはグリーンに乗るだけでOKと考える
・難しい打ち方をしないでシンプルスイングを実行
・バンカーショットを打つ前に近くの芝で素振りする
・素振りは空振りではダメ。ソールで芝を軽くこすろう
取材・文・写真/三代 崇 協力/サザンヤードCC
【シリーズ一覧】
●Vol.1:コースマネジメントの肝は「いいショットを打とう」と思わないこと
●Vol.2:練習場のマットをイメージするだけで方向が安定しやすい
●Vol.3:ピンよりも手前のエッジまでの距離を確認しよう
●Vol.4:ボギーペースに徹すればパーセーブの回数も増える
●Vol.5:フェアウェイの幅を広く使えばティーショットの成功率がアップ
●Vol.6:パットを打つときはラインの奥側からも傾斜をチェックしよう
●Vol.7:パー5ホールは2打目と3打目のつなぎを考えよう
●Vol.8:ドッグレッグは自分の飛距離を計算に入れてターゲットを絞る
●Vol.9:バンカーショットは打つ前に近くの芝で素振りして感じをつかんでおこう
●Vol.10:フェアウェイが狭いホールはドライバーで打つリスクを考えよう
●Vol.11:アイアンショット、これだけのツボを抑えておけば5打縮まる
●Vol.12:打ち下ろし&打ち上げは景色に惑わされないで普段通りにスイングしよう
●Vol.13:ピンを狙っていいときと狙ってはいけない場面を見極めよう
●Vol.14:グリーン周りからは「3打」で上がればOKと考えよう
●Vol.15:3パットを減らすコツを知ればベストスコアを出せる
●Vol.16:風が強い日は風に逆らうだけ損。シンプルに考えてスイングしよう
●Vol.17:林からの脱出は、次のショットにしっかりつなげる意識を持とう
●Vol.18:パー3は60〜70点のティショットが打てれば、パーだって取れる